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18歳以上ですか?
38にしおりをはさみました!
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38
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ピーポーピーポーと、家のすぐ近くで救急車のサイレン音が聞こえた。しかも、遠のいて行かない。止まっている。
・・・・・・救急車?
「義姉さん。俺、ちょっと見てくる」
「え、ちょ……諒太!?」
俺はカバンを置いて、家を飛び出した。
おふくろ…!!
どうか、俺の嫌な予想が、当たっていませんように。
俺は救急車のサイレン音が聞こえるほうへ走り続けた。
どっちに行ったんだ…?
だけど、やっぱり車の速度に人間の速さが追いつく訳でもなくて、救急車は見当たらなかった。
そのうち、サイレン音も聞こえなくなった。
「はあ…はあ……んっ……クソっ…」
息が苦しい…肺が痛い…
春先とはいえ、まだ寒い風の季節
冷たい風が余計に肺を痛くしてしまう、整わない。
でも、走らないといけない気がする。
何が?と聞かれてももちろん分からない。
交差点で立ち止まった俺は、
いったん息を落ちつかせることに徹した。
信号が赤から青に変わる。
…どの方向に向かえばいいんだ?
救急車は…そうだ…病院…いやでもどこの…
おふくろかどうかもまだ分かんねぇのに…
「とりあえずスーパーだ…」
一人でぼそっと呟いた
「ねぇ、見た…?」
「何を?」
「さっき起きた事故」
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