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13にしおりをはさみました!
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そこでようやく自分がキスをされたことに気づく。
しかもよりによって目の前にいる、この腹立つ男に。初対面で、ろくに話したことも無い男にだ。有り得ない。有り得ない。有り得ない。その事実を受け入れたくない。
愕然とする凪に男の顔が近づいてくる。反射的に唇を腕で隠した。もう、これ以上キスされてたまるか。そう思ったのだが。
「これからたっぷり可愛がってやる」
色気を含んだ声が、耳元で囁いた。
囁かれた耳から、全神経を伝ってぞわりと身体を駆け巡った。
「…っ、耳元で喋んな!」
必死の抵抗はかなり弱々しかったと思う。
それほど身体へのダメージは計り知れなかった。
「強気な癖して敏感だな。身体は正直というわけか」
「おもしろい」と微笑すると、いきなり椅子を倒される。
「ぅわっ」
驚いた俺に目もくれず、男は一人の綺麗な助手を呼んだ。
すぐに来た助手の女性が「今から治療しますね」と声を掛けてきた。
そういえば、まだ治療すらしていなかった。
もうこんなところ居たくない。こんな奴に治療されたくない。
男を見上げて、思い切り睨む。
「おい」
「…次は何だよ…ぅぐ!」
男の指が口をこじ開ける。
「早く口を開けろ」
強引に開かされると、歯を一本づつ確認しながら、暗号めいた言葉を助手の人に伝えている。
一々むかつく男だ。だけど。
さきほど迄のふざけた様子とは、うって変わって、真剣な眼差しをした男は、少し、かっこよかった。
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