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スポットライト
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スポットライトのようだ
ついたり消えたりする街灯の下に酔っ払いはいた。声を上げて泣いた後嗚咽を繰り返し途切れ途切れに何かを叫んでいる。
酔っ払いの先にあるアパートの住人は男に気がつくと踵を返し元来た道をまた歩いて行った。こんな危ない道を通らなくとも少し歩けば安全に帰路につくことができる。なだらかな山と険しい山があるならば、なだらかな山を登る方が多いだろう。わざわざ険しい道をゆかなくとも。
しかし険しい山も登る者はある。それがこのギターを背負った青年だった。
青年は光のない目でただ酔っ払いの叫びを聞いているだけだった。近寄るわけでもなく離れるわけでもなく、酔っ払いの一つ一つの言葉をその目にその耳に身体全体に響かせるだけだった。
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