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92(※微リバ表現注意)
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「えっ!お前知んねーの!?あの遊園地ってカップルで行くと限りなく百の確率で別れるんだぜ?」
真斗、お前の、言った通りだな。
あいつがどんなに良い奴か、解ってたつもりだった。
良い奴?
良い奴なんてもんじゃない‥
むしろ、さっき網膜に焼き付いた映像だけが無ければ、俺はきっと今でも幸せに笑えたかも知れない‥ そう思うと、吐き気がしてトイレに駆け込んだ。
少しは落ちついて、あの映像を検証する。
隣で大きな声がして、シェザードさんに何かあったのかと思った。
ドアノブに手を掛けると、鍵は閉まっていない。
来客かな?それにしては、さっきガタガタと言う音、そして壁の向こうから何かの啜り泣くような声が時折聴こえてきてはいて、不安が増した。
強盗の類なら警察も呼ばなきゃと、足音を忍ばせ同じ間取りの寝室を見て絶句した。
ハ、ハ‥‥ミド?
いつもより、乱暴で、ハミドに似た、別人なのかと思った。
カリフさんに、似た人もいる。
イヤ、解っている。
二人は、俺の知らない顔を持っているのだろう。
黙って行為に耽るハミドを見ると冷たくて、艶やかだった。
俺の時のような甘さは無く、俯瞰して見るような、それがあたりまえと言うかのようにシェザードさんの身体に触れている。
足で、踏みつけられていた。
俺はそんな扱いを受けた事などない。
でも、シェザードさんは、それすら光栄だとでも言うかのように、ハミドの冷たい目が、何をどう思い、自分に要求されているのかを全身で期待に打ち震えていた。
上司が好きと言っていた。
ハミドはシェザードさんより年下だ。そんな関係性にはならない筈なのに、何故か彼はハミドにされる一つ一つの事に喜んでいた。
絶対的な支配をその身に受け、ハミドの緑の目に操られているかのように恍惚としていた。
もし、俺が、あんな事をされ、モノ扱いなどされたら、ハミドが好きでも、耐えられない。
シェザードさんが、ハミドのモノを迎えに腰を動かしているところで、俺は後ろを向いて部屋を出た。
ハミドが出てきたところで怒鳴りつけてやりたかった。
何故裏切ったと聞きたかった。
聞けなくなった。
ハミドの身体から、いつもと違う匂いがして、そう、これはハミドじゃないんじゃないか?
一瞬喜んでしまった、愚かな俺。
「シオン‥」
いつもの、甘いハミドの声。さっきの冷たい響きは鳴りを潜めていた。
そう呼ばれる度に、幸せだった。
今はこの名前が大嫌いになりそうだ。
それ以外のハミドの事を胸に、前に進んで行きたい。
俺は、お前を許せそうにないし、意味なく罵声を浴びせたりもしたくない。
もし、ハミドから、別れの話をされたら、俺の息の根は止まりそうだから‥。
代わりに地球のネックレスを渡して、俺の、命を差し出した。
俺は会話を拒否し、自分の家に逃げ込んだ。
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