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18歳以上ですか?
3-6にしおりをはさみました!
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3-6
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□□
基本料金5万。
ホテル代折半。
飯はオプションで飯代プラス1万。
それ以外の経費は俺持ち。
それ以外の経費の例としては、ローション代やゴム代なんかだ。
それ以外は払わなくていい。オモチャを使う場合も媚薬使う場合もSMプレイだろうがなんだろうがやっていいし追加料金なしだ。
まるでファストフードのセット内容みたいな俺の料金。それが俺の価値だと思ってる、それでいいとも。
「…来ねぇじゃん…あいつ」
今日は約束の日だ。場所はこの間のホテルのロビー。白いソファに身を沈めて俺はマコトを待っていた。時刻は夜の10時半。待ち始めて3時間たった。
時間を決めなかったのに気がついたのは今日の朝。会うのは夜だけって自分ルールがあるから7時半からまった。
…6時だと、気ぃはやいとか思われそうだし。
だけどそれも杞憂で終わった。
「お客様、どなたかお待ちでしょうか?」
「ああ、すいません、そうなんですけど来る気配ないんですよね…」
「お飲物などお持ちしましょうか?随分長い間お待ちになられているようですし…」
「結構ですよ、お気遣いどうも。もう少し待ったらもう行くんで」
終いの果てにはこうしてホテルマンに心配される始末。
さいっあく。
俺の貴重な3時間返せよ!一体何組がここで待ち合わせしてどっかにしけこんだと思ってんだ!みんな幸せそうな顔してどっか行ってるっつーのに!
俺はソファに尻がくっつきそうになるくらい待ってんのに!!
来ない、影も形もない。
「…待つんじゃ、なかった………」
そんで、期待すんじゃなかった。シンってまた呼んでまた気持ちいいことができて
またあの手で撫でてもらえるって
「なんで来ないかなぁ…」
思ったのに。
また時計を見る。何回目かな、でももう最後だ。
帰ろう、無駄だ。無駄にもほどがある。つかそもそも3時間も待つ必要なんてなかったんだ。来ねぇだろ、普通に考えて、9時とか過ぎたらさぁ。
俺は席を立って自動扉の方に向かった。夜はもう冬みたいに寒くなっていて今日は一段と寒い。頬を冷気が撫でて切っていく。
「さむ」
…ここでマコト来ねぇかなぁって、思った。漫画みたいに息切らして「シンっ」って名前呼んで、よかったって笑顔になるマコトが。
でもこれは現実だ。
マコトは、来なかった。
ホテルの明かりがどんどん後ろにいく。
俺はまるで堕ちて行くみたいにそこから離れた。追いかけて来る靴音すら、なかったんだ。
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