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トラ先生慄く⑨にしおりをはさみました!
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トラ先生慄く⑨
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あの日以来、梶本君はぼくをエサにトラ先生と連絡を取ったり、呼び出したりするのだ。
それにまんまと乗るトラ先生も大概ではあるものの、必ずぼくを同伴するので必然的に三人で会うことになる。
「これが前期の球技大会の動画です。」
梶本君はタブレットを操作してトラ先生に差し出す。
「きゃ〜、どれどれ?」
「……。」
「良賀谷のクラスと決勝で対戦した子から送って貰いました。転入して間もなくに開催されたから、これがきっかけで良賀谷は校内で一気に有名になって人気者になり、いわゆる我が校のモテ組になったと僕は聞いてます。」
梶本君はわざとらしくレポーター気取りの口調で、第三者の目線っぽく余計な注釈を加える。
まったくもって、墨人君の言う通りこの底意地の悪さときたら…。
それまで動画に夢中になってかっこいいやら素敵やらとはしゃいでいたトラ先生は、梶本君の言葉にギラリと目線をぼくに向けられる。
「そうなのっ、るうちゃんっ?」
嫉妬の炎で燃えさかる目がおそろしい。
「そんな人気なんて一瞬のことですよ。それに、たまたま競技がぼくの好きなスーパードッチボールだったんで活躍できただけです。」
ぼくは静かに訂正をする。
「いえ、良賀谷は謙遜しているだけですよ。いまでも男女問わずしょっちゅう声をかけられて、楽しそうに仲良くしてるの見かけるんです。」
爽やかに追い討ちをかけてくる。
…おのれ、梶本。
「男女問わず、楽しくシテるっ?仲良くヤッてるっ!?」
「…トラ先生、妙な文字変換しないでください。」
ぎりぎりとタブレットを握り締めて、トラ先生はぼくに詰め寄られる。
このようなぼくとトラ先生のやり取りを、上品で清潔な笑みで見守る姿勢を崩さない梶本君がにくたらしい。
そうやって梶本君にトラ先生の嫉妬心を煽られるたびに、ぼくはその後執拗なセックスで報復されるのでたまったものではない。
ただ、これでトラ先生のぼくへの不信感を助長しようなどとは甘い考えであるので、よしとしておこうと思う。
しかし、これ以上トラ先生の周りをチョロチョロされるのは、不愉快極まりない。
ぼくは梶本君の横恋慕に終止符をつけるべく、行動にでることにしました。
「梶本君短期間でもかなり上達しているし、地稽古してみる?」
ぼくが提案してみると案の定、自信家の梶本君は褒められて気を良くし実戦できるチャンスに飛び付いてきました。
申し訳ないけれど、勝ち気な彼の性格を利用させてもらうことにする。
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