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speed full wolfにしおりをはさみました!
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speed full wolf
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やられた。
バイクを駆りながらリョウヤは心の中で紅いものが燃えたぎってきたのを感じる。
コウスケからあの青村とであったと聞いてばかりなのになぜ留守にしてしまった。会合なんて大したこともせずに近況報告だけして終わりだというのに。
いわゆる社交パーティーとも似ているかもしれない。不良たちの集まりの中にあのむかつくほど真っ青な野郎がいなかったことにとてつもない違和感を感じた瞬間、コウスケからの電話。
仕組まれていたとしか思えない。この日を狙って青村は罠をしかけていたのだ。
自らの評判をおとすことより、リョウヤの大切なものを拉致ろうとすることを優先させた彼の行動の速さには度肝を抜かれている。
青村は似非紳士として有名だが、さらわれたユウに手を出さないとは限らない。
しかし女ならばそこまで心配することはなかっただろう。
ユウは男だ。少し胸に触れられてしまえば一瞬でばれてしまう。
そうなればもうユウの安全は保障できない。彼が浚われてしまう前に本星をたたきつぶしてしまうしか。
めきっとハンドルが握力でいやな音をたてた。
舌打ちをしながらリョウヤはバイクから飛び降り、入り口でたまっていた雑魚を一掃して中へ踏み込む。何人かの青い奴らがリョウヤを囲んだが、リョウヤのただならぬ凄んだ相貌と覇気ですくんでしまっていた。
ユウが教えてくれた部屋番号を口の中で暗誦しつつ飛びかかってきた敵を拳ひとつで倒して移動する。
やっとたどり着いたリョウヤはドアを蹴破って「おい無事か!」と中に入った。
リョウヤが見た光景は、想像を超える最悪な事態となっていた。
憎き青村の腕に拘束されているのは大事な大事な人間。
「遅かったなリョウヤ。さて、取引を始めようか」
青村は蛇のように長い舌で唇を舐めた。腕の中で暴れるユウを簡単に押さえつけているところをみると、相当な力を持っているようだ。
最高に最悪な展開に、リョウヤのこめかみがびきりと鳴いた。
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