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Friday night 1にしおりをはさみました!
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Friday night 1
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金曜の夜、一人で家にいるのが何となくつまらなくて、オレは街の中をフラフラしていた。
春は歓迎会シーズンのせいか、いつにも増して街は賑やかだ。夜になっても人の数は一向に減らない。
ネオンの光、呼びこみの声、酔っ払い、ケンカ、
いつも金曜の夜は人肌恋しくて、つい夜の街にきてしまう。胸の隙間をどうにか埋めたくて..。
立花は、人通りの多い通りから一本裏にある店に入った。
中に入ると、大音量で音楽が流れ、多くの若者がひしめいていた。
カウンターでドリンクを受け取り、人混みをかき分けテーブルのあるところに立つ。
ここにいるヤツらも虚しさを紛らわせたくて、集まってきているのだろうか。
立花がタバコを吸ってると、二十歳くらいの二人組が話しかけてきた。
「ねぇ、一人?」「一緒に踊らない?」
キツイ香水の香りがする。二人とも高いヒールを履いてるから、背が立花とほぼ同じくらいだ。
立花が適当にあしらっていると、後ろから肩を叩かれた。
「よお、久し振り」
男は馴れ馴れしく立花の肩を抱くと、「どうだ、一杯。向こうで」と奥の方をさした。
立花はとりあえず女子から逃れようと、「また今度、」と適当に二人組に言い、その場を離れた。
「ニシ、サンキュ」
ニシと立花に呼ばれた男は、シルバーアッシュの髪に口ピアスというあまりガラのよくない風貌であった。
以前このクラブでこの男に話しかけられ、それ以来会えば時々話をする。
「ギャルにモテるな、」
「嬉しくねーし」
立花は薄茶色の髪に触れてきた男の手を払い、カオをしかめる。
「久し振りだし、奢るから一杯飲もうぜ」
「イヤ、」
「まあ座って」
ニシは立花の両肩を掴み、ソファーに強引に座らせた。
一杯だけ、と断り立花は新たに受け取ったグラスに口をつけた。
「最近見かけなかったけど、ココ来てた?」
「んーそういや、あんま来てねぇかな、」
下手に高校生という身元がバレないよう、同じ店には連続して通わないようにしている。
「へぇ..。あ、それ。カッコいいじゃん」
ニシは立花の手首にしてるシルバーアクセサリーを指し、「見して」と言いながら腕を掴んだ。
「お前、手首ほっせぇなー」
音楽がガンガン鳴り響き、声が聞こえづらいせいか、いつの間にかニシとの距離が近い。
「ちょっと...近くね?」
立花が男と距離をとろうすると
「いいじゃん」
と言って、グイッと立花の肩を抱き寄せた。
ニシは顔を近づけ、耳元で囁く。
「お前、男イケるんだろ?」
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