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18歳以上ですか?
15にしおりをはさみました!
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15
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教室に戻ると生徒は1人もいなくて、担任だけがその場に残って、黒板にもたれかかっていた。
げっ、と思いながらも表情には出さず、教室の奥に入っていき、自分の―窓側の一番後ろの席へと向かった。
「藤代」
担任に名前を呼ばれるが、無視して帰る準備を進める。
それでも担任は気にせずに続ける。
「お前、午後の授業サボったそうだな」
いやいや。俺のせいじゃないんですけど。
「サボったわけじゃないんですけど」
「じゃあ何だ。しんどかったから保健室に行ってましたってか?」
保健室なんざ、誰が行くか
「いや、玖村くんに連れられてサボらされました」
嘘は言ってない。むしろ、事実しか言ってない。
まあ、それでもこんな言い訳したところで無意味なんだろうけど。
あいつは優等生。俺は問題児扱い。
しかも今話してる相手は、優等生以外の話は一切聞かないと噂の(?)この担任だ。
いや、この担任相手じゃなくても、俺なんか信用ないから、誰に言い訳したところで同じなんだろうけど。
案の定、担任は小さく舌打ちを零し、ギロリと睨んできた。
お〜こわ。
「そんな嘘をついたところで、すぐバレる」
「人の話もロクに聞かないで、すぐに嘘って決めつけるのもどうかと思いますけど」
担任もどんどんイライラが募ってるのが目に見えて分かるけど、俺は構わず、敢えて無表情で。目も合わせずに告げる。
「玖村が無意味にサボるはずがないだろう」
「それは本人に聞いてくださいよ、俺には関係ないんで」
ていうか、あいつがサボってたことは認めるのか。
机の中に入っているものの中で、必要なものだけを鞄に押し込んで、チラッと担任を見る。
担任は大袈裟すぎる溜め息を吐きつつも、やっと無言になったので、俺は失礼します、と教室を出る。
そのまま寄り道もせずにマンションに帰った。
何だか今日は疲れた。
久々にあんなに人と喋った気がする。…いや、ほぼ無理矢理喋らされたようなもんか。
鍵を開け、着替えもせずにベッドに倒れ込む。
そのままうとうとして、気づけば寝てしまっていた。
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