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仮面の君は。にしおりをはさみました!
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仮面の君は。
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[ウエディング。そらる攻めしちゅ。友人出演で天月さんも出てます。]
そらるさんside
今日は、俺達の挙式が挙げられる。
挙式と言っても、この恋を理解してくれている極少人数の人の集まりでだが。
親すら居ない挙式。
白いタキシードに身をつつみ、髪は何時もより気合いを入れて。
準備が終わると、
『花嫁様も準備が済みましたよ。見てみますか?』
と、ウエディングプランナーさんが声を掛けてくれた。
「あ、はい!…見たいです」
じゃあ、呼んできますね。とプランナーさんは奥に駆けていく。
『そ、そらる…、やっぱり僕が花嫁は変じゃ…、』
顔を赤らめ、真っ白なドレスに身を包んだ花嫁。
こんなに美しいものが地球上にあったとは。
「変じゃ無いよ…、綺麗。…やっぱり似合うね、白いドレス…、」
…何故花嫁が、僕、と言っているのか。自分が花嫁なのが変だと思っているのか。
意味がお分かりであろうか。
『…僕、男だし…、綺麗な訳…、ないし…』
そう。花嫁は男。オカマでもない。純粋な男。
「んーん、アンさんは綺麗…、男とか関係なく。…やっぱりアンさんが花嫁で良かったと思う。」
アンさん。俺がそう呼んだ花嫁は、顔を背けてただただ照れていた。
あー、愛しいな…、今日からこんな素敵な人が公に俺の物になるなんて。
幸せすぎて、死んでしまいそうとはこんな感情なのだろうか。
『もうそろそろ本番ですよ。』
プランナーさんに声を掛けられ、出番が先の俺はアンさんの額にキスを落として先に会場へ出ていった。
そして式も後半。あとは指輪交換と誓いのキスのみ。
指輪を花嫁の細い指にはめ、花嫁と目を合わせると、ぽろぽろと涙していた。
「アンさん…、」
花嫁の名を小声で言うと、花嫁は涙を拭い、
『ごめん、…嬉しくて…、』
と。
あぁ、やっぱりこの人を選んで良かった。
他の人に渡さなくて良かった。
そして、誓いの時。
牧師『新郎のそらるさん。アンさんを幸せにすると誓いますか?』
牧師、ではなく友人の天月。この役は天月に任せて良かった。しっくり来る。
「誓います。」
天月『花嫁のアンさん。そらるさんを一生支えることを誓いますか?』
『誓います、』
天月『では、誓いのキスを。』
花嫁のヴェールをそっと上げる。
目を合わせると、合図のように花嫁はきゅっと目を瞑る。
「アンさん、愛してる。幸せにする。」
そう言って唇を重ねる。
『そらる、僕も好き…、』
にへっと笑うその顔。年を取ってもきっと変わらないんだろう。
どちらからともなく、また唇を重ねた。
仮面の君は、今純白のドレスと幸せに包まれて。
今、俺達は夫婦になる。
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