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18歳以上ですか?
18にしおりをはさみました!
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18
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「あー!せんせー!」
「こんにちはー。」
「せんせ、何しに来たのぉ?」
さっきまでもめていた
子供達は新しく現れたおもちゃ
…否、新しく現れた先生のもとに群がった。
さっきのいさかいが嘘のようだ。
「こんにちは。久我先生。
待ってましたよ。」
「おや、
珍しい人がいるじゃないですか。
どうしました、高槻君?」
子供達の突進を
上手に受け流しながら
その人はこちらを見た。
「お話があって待っていたんです。」
話というよりお願いが。
久我先生は葵と俺の主治医だ。
この人に外出許可を
出してもらえるように
話をするため待っていた。
結局、俺にできることなんて
たかが知れている。
駄目元でも頼み込んでみる価値はある。
「どうしました?
どこか具合が悪くなりましたか?
それとも何か不都合があったかな?」
優しい笑顔で話してくれる先生は
いかにも小児科の先生って感じだ。
こんなに優しそうな人なんだから
きっと俺たちの気持ちを
くんでくれるだろう。
「いえ、俺のことではなくて…
俺は今のところ変わらず生活してます。
検査も定期的にしてるし。
今日お話ししたいのは
長谷川葵のことなんです。」
「長谷川くん?
彼がどうかしましたか?」
「外出許可をいただけませんか?
半日でいいんです!
明後日、夏祭りが近くであって…
それに一緒に行きたいんです。」
「夏祭りですか。
それで長谷川くんは
外出許可を申請していたんですね。」
「先生、お願いします!」
「そうですね…
行かせてあげたいと
僕も思います。」
「…っ!じゃあ…」
「いいえ。
行かせてあげたいですが
結論から言わせていただくと
外出許可を出すことはできません。」
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