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逃亡にしおりをはさみました!
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逃亡
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「誰かに監禁、されてた…?」
ユキトがおそるおそる口を開くと、「御名答」と南倉は軽く笑む。そして少年から手を離すと二本、人差し指と中指を立てた。
「この時点で明らかになったのは二つ。まず狐目の男が事故死でも自殺でもなく、殺されたってこと…真犯人にね」
つまりユキトを恨んでいるのは狐目の男ではなく、ヤクザの下っ端のリーダーを利用した黒幕という事だ。
『口封じ』。振り出しに、戻った。南倉は中指を折る。
「そしてあと一つ。…これが問題なんだ。遺体が綺麗だった意味は、分かる?」
問いかけられ、ユキトは脳をフル回転させる。
2、3日あれば遺体は腐る。しかも顔からだとすると、身元判明に時間が掛かってしまう。とすると、溺死してから長くて1日程度で見つかったという事だ。
しかし――意味とは?たまたま、発見が早かったのではないのだろうか。
「…偶然見付かったんじゃない。『見付かる』ように、仕向けたんだよ」
まるで依頼人の思考を読んだかのような探偵の言葉。
何故そう言い切れるのか、ユキトが顔を上げると、「これは単純な話」と南倉は立てていた人差し指で宙に丸く円を描いた。
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