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ハッピーショコラ!!! ■七粒目■にしおりをはさみました!
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BL Land「2014 Valentine」Tour{増刊特集}
ハッピーショコラ!!! ■七粒目■
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「わぁ、ありがとうございます!嬉しいぃ~。サガさん、僕、大事にしますね!」
ソウジが女装男子として板についてきた女性らしい柔らかい声と完璧な笑顔で、にっこり笑い手を握り返すのをじろりと見て、タカヤナギは俺のソウジやのに、と内心腹立たしく、さりげなくサガの手を払い、「さ、行くで」とソウジへ声をかけた。
「お土産をどうもありがとうございます、ありがたく頂いていきます。このたびは、お時間頂きましてありがとうございました。またなにかご用命がありましたらなんなりとお申し付けください」
タカヤナギは慇懃に挨拶をしてサガに無表情な顔を向け、そそくさとその場をあとにした。
ソウジは着物だからと考えて、いつもよりも丁寧に深く腰を折り、席を辞した。
サガがねっとりと視線を送ってくるのに気づいたのは、たぶんタカヤナギだけだ。
「あ、ちょ、タカやんセンパイ?」
足早に歩くタカヤナギを、草履で脚がもつれそうになるのを気にしながら追う。
conte de fee の事務所を出たところから、タカヤナギはソウジの手を引いている。
もう一方の手には conte de fee の袋2つ。
もともと脚の長さが違うぶんソウジには相当不利で、僕が何かやらかしたかな、と省みながらついてきたが、ビル3つぶん先まで行ってさすがに息が切れてきた。
「おーい、ちょっと待って下さいよー、僕なんか失敗しました?ええかんじでお土産も貰えたやないですか。僕も前言ってたの貰えてわくわくやのに、なんですか、タカやんセンパイなんか変」
「オマエはほんまに鈍くて、あかん」
「え、なになに僕、ほんまになにしたん!?なんで激怒?」
タカヤナギが、手をひいたままビルの谷間の小径へソウジを誘い込む、チョコレートの袋を路上に置くと、壁にソウジを追いつめて至近距離で睨みつけた。
「オマエな、ええかげんにせんと、今すぐここで犯すぞ」
「は!?意味わかりませんけど」
「女装男子やるのはええけど、あいつに色目を使えとは言うてない」
「だっ、誰が色目ですか」
「べたべた触られよって」
「なに嫉妬かましてるんですか、アンタは」
「オマエは俺のやろ、やらしいのは俺の前だけにしとけ」
「ええっ、なん…」
タカヤナギに唇を塞がれて、ソウジは黙り込んだ。
僕はもうこんな忠犬ハチ公やのに、いらん心配して、と思うが、今日は言わない。
ちゅうぶらりんな自分の立場においては、タカヤナギのヤキモチが、嬉しくないわけがないからだ。
珍しく余裕のないタカヤナギを薄目で見て、眼を閉じて、舌を合わせた。
***
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