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41にしおりをはさみました!
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「くっそ、あのバカ!バカ!」
俺はぶつぶつ独り言を言いながら、廊下を乱暴に歩く。
あいつはこれからずっとあんなクソ寒いことを言い続けるのだろうか。俺には耐えられる気がしない。......心臓鳴りすぎて死ぬかも。
ていうか、なんなのあいつ。欲求不満なの?
一応抜き合いっこはしてるけど、俺が男だからセックスはできないわけで。満足できていないのかもしれない。
......やっぱ女の方がいいとか言われたらどうしよう。
そう思うと急に不安が大きくなって、俺はさらに歩くスピードを早める。
「くっそ!」
「はぎゃっ!!」
角を曲がったところで、俺に当たりそうになった瑞希が間抜けな声を出しながら尻もちをついた。
俺は瑞希の腕を掴んで立ち上がらせ、謝罪をした。
「悪い。前見てなかった」
「ううんっ。僕も不注意だったし.......って修弥、それって」
そう言った瑞希が指差したのは、俺が持ってる制服。
......やばい。
賢斗が通ってる高校は、いわゆる金持ちしか入れないような私立高校だ。そんな学校の制服をただの使用人が手にできるはずはない。
「あ、いや、これは......」
何か言い訳をしなければと思うが、全然思いつかない。そんな俺に瑞希は「あ」と何かを思いついたように声を発した。
「もしかして、アイロンかけるの?」
「え?」
「そのサイズ、凌真様のだよね。クリーニングに出したから大丈夫だと思ったんだけどなぁ。アイロンある場所分かる?一緒に行く?」
「い、いや。分かるから大丈夫だ」
「そっか!」
瑞希はにこっと笑い、「じゃあねっ」と言って去って行く。しかし、それを遮るように俺は瑞希の手を掴んだ。
「え、修弥?」
「......悪い。やっぱ、教えて」
瞬きを繰り返す瑞希に、俺は恥を承知で相談を持ちかけることにした。
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