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101にしおりをはさみました!
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「瑞希」
俺たちのところに来た高杉は、綺麗な顔に少し汗が伝っていて、でもやっぱり綺麗だった。
「はうっ......」
瑞希も俺と同じ考えのようで、久しぶりの高杉に見惚れているようだった。
けど、はっとして、勢いよく立ち上がって頭を深く下げる。
「すっ、すみませんでした!いきなりいなくなって!ご主人様には大事なご恩があるのに......」
「瑞希......」
「あ、あのっ、本当にごめんなさい!だから、あのっ」
瑞希は今にも泣きそうで......あ、泣いた。
大粒の涙が、瑞希の下に落ちる。
「うっ、あのっ、ほんとっ......ひっく」
頑張れ。頑張れ、瑞希。
「もうっ、ううっ......遅いかもっ、しれない、ですけどっ......嫌いにっ、なら......っ、ならないでっ......」
ぎゅうっ、と高杉が瑞希を抱きしめる。
「嫌いになんかなれるわけないでしょ。......瑞希、不安にさせてすまなかったね。会いたかったよ。本当に無事で良かった......」
「......っ。ご主人様っ」
「ちゃんと話がしたい。けど仕事があるから、終わるまで待ていてくれる?」
「......はいっ」
瑞希の頭を撫でて、良い子って言って微笑んだ高杉が今度は俺の方に向かってくる。
すれ違いざまに、小さな声で俺に耳打ちした。
「ありがとね。仕事終わるまで、瑞希のことよろしく」
「ああ」
その後の瑞希は、まだ不安も残っているようだったけど、少しは心が晴れたみたいで楽しそうに学校祭を見て回っていた。
......まあ、俺はコスプレのせいで全然楽しめなかったけど。
けど、瑞希が楽しかったならそれで良いやとも思った。
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