アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
11にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
11
-
「はあー‥」
ベッドに倒れ込むように体を預ける。
こんなボロアパートでもしばらく住んでれば安心感もあった。
両親が死んでずっと住んでた一軒家は売り払った。今あの土地がどうなったかは知らない。
売り払った家は取り壊され面影すら全く無い別の建物になってるかもしれないし、俺が住んでたあの家のまま誰かが住んでるのかもしれないけど、もうどうでもいい。
アパートの家賃はちゃんと払ってるけど、少し離れた所に暮らす祖父母に代わりにアパートの契約者は稔さん。
沢山世話になってる。
両親の葬式でもその外の事も今日だって‥教師の枠を越えて世話になってる。
悲観ぶるつもりはない
だけど‥元には戻れない
分かってる
もう‥戻れないんだ
分かってるから‥
もう少しだけ時間が欲しい
乗り越える時間
向き合う時間
まだ‥足りないんだ
ガチャガチャ‥バタン
「‥永久?」
「‥帰ったんじゃなかったの」
「車停めて来ただけ。体調は?」
せっかく突き放したって平気な顔して近付いてくる。
「‥平気だってば」
「さっきポカリ買ったから喉渇いたらこれね。今日はもう薬は飲まなくていいから‥あ、お腹は空いてない?」
「‥主婦?」
「お前‥」
「ははっ、冗談だよ。風呂入って寝る‥何か疲れた‥」
「じゃあ準備するから待ってて」
「‥ん」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 69