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3にしおりをはさみました!
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秋一さんはそう言いながら、俺に一つの封筒を渡してからカクテルロブ・ロイをゴクゴクと飲みほして。
「じゃあ、僕帰るね。アディオス可愛いバーテンダーちゃん」
とかなりふざけた感じに言い捨てながら、バーのカウンターにかなり高額の金額を置いてそのまま一瞬で消えるようにバーから出ていってしまったので…。
「あの、待って…こんなにはしないです!!」
という俺の焦った言葉は彼には届かず、唯々虚しくバーにだけ響いた。
「…ああもう、今度うちに来てくださった時になんとかしないといけないな…でもああいう面白い人嫌いじゃないな」
俺はそう少し微笑むように笑いながら、秋一さんから渡された封筒を右手で持ってゆっくり綺麗にその中身を開けると…。
なんとそこには、何も書かれていない羊皮紙が一枚だけ入っていて…。
俺はどいう事だろう?とそう思いながら、その紙に人差し指をあてながらなぞると。
突如黒いインクで書かれた文字が、現れはじめて…。
「えっ…待って…なにこれ?魔法??」
と思わず俺はそう驚いた声を上げながら、手に持つ紙を離そうとしたが…何故か離すことが出来ず。
「ま、待って…ど、どうなってるの…こんなの怖いよ」と意味もなくそう叫びながら。
次々と現れる、見たことのない文字を唯々怯えるように見つめて。
ー早くこの怪奇現象が終わらないかなと、思った瞬間。
ある文字が現れて…俺はさらに驚いた。
何故ならそこには、
『浦霞楓(24年4ヶ月)』と、俺が読める文字でそう書いてあったからだ…。
だから俺は、その文字を見た瞬間に背筋が凍りつくような、言い知れぬ気持ち悪さを強く感じてしまい。
「24年4ヶ月って…なんだよ、俺…まだ23歳なのに…どいうこと?というかこんな意味わからないものがないといけない場所って何だよ…ふざけるな!!」
と謎の気持ち悪さに錯乱したかのように、そう俺しかいないバーカウンターで叫べば。
俺の文句に言い返すように、
『そう叫ぶのなら…お前が求めるものは永遠に手に入らぬ、そこで諦めるのなら…このお前に与えられたサイゴの慈悲は不要、泡沫の泡のように消えるのもまた一つの慈悲である…』
とまるで全てを見ていたかのような文が現れたので。
俺はその文を見たと同時に、
「嫌だー!!隆虎さんと永遠にお別れなんて、絶対にしたくない!!」
と心の底からそう嫌だと叫べば。
『ならば、24時に一人で星を見上げるといい…双子の天使が、お前を導いてくれるかもしれぬ…』
と俺を導く文章が現れたので、俺は恐怖から安堵に一瞬で変わるような気分になりながら。
「良かった…これで、隆虎さんに会える…良かった」
とそう嬉しそうに小さく呟いて、文字の書かれた羊皮紙を綺麗にたたんでから封筒にしまい。
24時になるまで、ずっとバーで仕事をしながら…。
バーの窓から見える星をひたすら見上げて、唯々時が過ぎるのを待てば。
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