アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
*50にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
*50
-
〜恋side〜
「ん…?」
次に恋が目を覚ました時、琉の姿はもうなく、時間は10時だった。
昨晩や今朝より、かなり体が楽になっていて、薬が効いたようだった。
念のため熱を計ると37.4を示している。
(結構下がったな…)
枕元にあったスマホに手を伸ばし、画面をつけるとメッセージの通知がかなりあった。
それは主に【しょーとけーき】で、明希と千秋が恋のことを心配している内容だ。昨晩からずっとメッセージを見ていなかったため、さすがに何かあったのかと思われたらしい。
アプリを開いてみれば、琉からもメッセージが来ていた。
黙って家を出たことの謝罪と、ちゃんとご飯を食べて薬を飲んで寝ておくこと、という内容だった。
それに対し、わかりました、とだけ返して、今度は【しょーとけーき】を開く。
そこに、熱が出た、と軽く打てば、即座に返事が返ってきて、昼過ぎたらお見舞いに行く、といつの間にか話がまとまっていた。
恋はそれを見てクスリと笑い、返事は軽く済ませてスマホを枕元に放った。
ご飯を食べないと怒られるな…と思い、なんとか重い体を起こして下に行く。
リビングになぜか電気が付いていて、恋の体は意図せず強張った。
恐る恐るリビングの扉を開けてみて、恋はホッと胸をなでおろした。
「遥さん…?」
「あ、起きた?朝ごはんって時間じゃないけど少し何か食べる?」
「あの…鍵とか…」
「赤津さんがポストに入れておいてくれたんだよ。それより早く座って!病人なんだから!」
どうしたのか、と聞く前に遥は答え、恋をソファに座らせる。
「あの…熱移ったりしたら…大変なんじゃ…」
ふと気になっていたことを口にすれば、遥は柔らかく微笑んだ。
「恋くんのは疲れとかストレスからくるものだから、移る心配はないよ、って零が言ってた。だからお見舞いに来たんだ。」
「そうですか…」
「今おかゆ食べたら昼食べられなくなりそうだよね…果物買ってきたからそれでも食べる?」
遥にそう聞かれ、恋はこくりと頷いた。
遥はスーパーの袋から梨とぶどうを取り出した。今旬の果物だ。
「ぶどうは種無しだから、簡単に食べられると思うよ。」
梨を剥いてぶどうと一緒に皿に盛り、遥は恋の前のテーブルに置いた。
「無理しなくていいから、食べられる分だけでも食べて。」
遥はそう言って柔らかく微笑んだ。
「家事、何かやっておこうか?」
「そこまで甘えられません…」
「うーん、でもせっかく来たし…何か俺でできることがあるならやるよ?実はさ、妊娠中って家事くらいの運動がちょうどいいんだよー。」
「えっと…それじゃあ洗濯物を…掃除はとりあえずいいので…洗濯だけお願いします。洗濯機は多分もう回してあるので…干すだけです。」
「わかった。ゆっくり食べてて。」
遥は洗面所の方に向かい、恋は梨を口に運んだ。
甘い香りが口の中いっぱいに広がり、水分も多く含むため食べやすかった。
しばらくそうやって梨やぶどうを口にして、皿の3分の1ほどを食べ終えて、もういらないかな…などと考えていたら遥が戻ってきた。
「終わったよー。恋くん昼ごはんまでまた寝てたら?薬は朝飲んだんだよね?」
「飲みました。」
「じゃあ寝てなー。上にあがるの辛かったらそこで寝てていいし。」
恋はどうしようか迷ってソファで寝ることにした。
なんとなく、2階で1人で寝ているのは嫌だった。
「じゃあそこに横になってて。俺は適当に昼ご飯の準備でもしながら過ごすよ。」
遥はそう言いながらまた柔らかく笑う。
ソファに横になると、遥が布団をかけてくれて、思ったよりすぐに睡魔は襲ってきた。恋はそれに身を任せた。
その後は、お昼にもう一度起きて、琉が朝作ってくれたらしいおかゆを食べ、薬を飲んで遥としばらく話していると明希と千秋がやってきた。
4人でしばらくまた話し、16時半頃には明希と千秋は家に帰って行った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
247 / 832