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第一章~高校2年生・春~2にしおりをはさみました!
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第一章~高校2年生・春~2
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「はよーっ!」
「……うるさいのがきた。」
「せやねぇ…あいつは変わらんな~」
ガダンッと音がして教室のドアが勢いよく開かれる。
大きな声がして、静まり返った教室。
皆がドアの方を見た中で、谷地島と久夜のため息が聞こえた。
「海翔~!!やっと同じクラスになれたな!」
声の主はキョロキョロと教室内を見渡すと、迷うことなく谷地島の元へとやってきた。
……久我くん!?
「うるさい。黙れ。」
「相変わらずつれないなぁ…って彼方じゃん!!
え、なに同じクラスなの?言えよー!うっわー偶然!!」
「…………」
「えぇーっ!!無視ですか!?酷くない!?」
……誰ですか。目の前にいるのは。
え、久我くんなの??
久我くんって普段こんなハイテンションなの??
久我くんを見るのは、体育祭と文化祭以来で。
どっちも遠目からしか見ないから、もっと大人しめな人かと思ってた…んだけど………
どうやら違うらしい。
久我くんを知ってる人は苦笑い、初めて同じクラスになった人達は唖然としてる。
ギャップが凄すぎる。
「お前うるさいから無視もしたくなるわ。
こんなんと知り合いとか谷地島が可哀想…」
「ん?……え、…え、えぇっ!久夜!?!?久夜なの!?マジで!?」
驚きの声をあげた久我君に、一瞬教室にいた全員がひいた。
俺も引いた。
…久夜、知り合いだったの。
今までそんな素振りしたことなかったのに。
「…お前、気づいとらんかったんか。」
「え、久夜気づいてたなら声かけてくれればよかったのに!!!」
「お前みたいなうるさい馬鹿に自分から話しかけいくほど馬鹿やないねん。」
「ひどっ!!」
かつてないくらいの久夜の毒舌ぶり。
久夜がこんなに容赦ないところ初めて見た…
だっていつも優しい。
「…久夜、久我くんと知り合いだったの?言ってくれればよかったのに。」
「言うほどのもんでもないやろ。ただの同中。」
「へぇ…中学校の時の久夜か~」
どんな風だったのか、やっぱり気になる。
同じ中学とか、俺は彼方しかいないけど、久夜にも同じ中学の人いたんだ。
…それが久我君っていうのは驚いたけど。
「久夜、涼真がうるさくてごめんね。」
「……、紅野。」
久我くんが暴走するだけ、暴走したあとに教室に入ってきた男の子。
短髪の黒髪は少し怖い印象を受けたけど、優しく笑った目とか、薄い唇とか、通った鼻筋とか。
とにかくイケメンな部類。
イケメンっていうか綺麗な顔立ち。
……久夜といい、久我くんもカッコいいけど、なんだこの異様なイケメン率。
だけど、俺の驚きとは違って、くれのと呼んだ久夜の表情はあんまり明るくなかった。
……色々あるんだと思った。
言ってくれない久夜の隠し事。
結局去年はほとんど何も教えてくれなかったんだよなぁ。
久夜がもっと頼ってくれれば……
俺も久夜の力になりたいのに………
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