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そのよん。にしおりをはさみました!
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そのよん。
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モールを一通り見て回った後、ゲーセンでも寄る?と氷崎くんに言われて、僕は頷いた。シューティングゲームをしたり、太鼓の仙人っていうリズムゲームをしたり、それなりに遊んで楽しんだところで時間を見れば、20時を回っていた。
「そろそろ帰るか」
「あ、うん、そうだね…」
寂しいな。顔に出ていたのか、氷崎くんが、フッと笑う。
「また、遊べるじゃん。あんまり遅くまで遊んでても親心配するだろ」
「あ、僕、一人暮らしなんだ」
そういえば、言ってなかったな、と僕は過去の記憶を思い起こす。うん、言ってない。
中学校卒業と同時に家を追い出された。100万入った通帳と、家賃を除いて月20万この通帳に振り込むから、と新しい家の鍵を渡された。家にすら居辛かった僕としては最高の提案だった。
いつ、この振込が終わるか分からない恐怖はあったけれど、少しレベルの低い今の高校に来たからバイトだって出来ている。20万から食費や光熱費は払える。むしろ、余るくらい。遊ぶこともなかったから、お金は何もしなくても溜まる一方だった。
「まじかよ!じゃあもうちょっと遊ぶ?」
氷崎くんが悪戯を思いついたみたいな顔で笑う。その顔にまたドキドキ。僕、今日だけで何回氷崎くんにドキドキしたんだろう、かっこいいって思ったんだろう。それを考えた瞬間、僕は自覚した。
氷崎くんのことが、好きなんだって。
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