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記憶にございませんは、通じませんにしおりをはさみました!
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The wing which died surely turns into love
記憶にございませんは、通じません
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「止めれって言ってんだろうがっ」
朝から盛り始めそうな音里の額に手をつけ、引き剥がす。
「お前が昨日、アホみたいに掘ったから切れたんだよっ」
キョトンとした瞳で俺を見上げる音里。
「俺のせい? いやいやいや。もぉ、切れてもいいから挿れろって言ったのそっちだからね。もぉ、持たねぇって……エッロい声出して煽ったのそっちだからね?」
ぷくっと片頬を膨らませ、怒ってますアピールをする音里。
「はぁ?」
不機嫌極まりない声を漏らす俺に、音里は、心外だと言わんばかりの音を返す。
「はぁ? じゃないよ…全く。べろんべろんに酔って帰ってきたらと思ったら、布団剥がして、『ほら、ヤんぞ』って……人のコトなんだと思ってんの? セックスアンドロイドだとでも思ってんの?」
苛立ちを隠さないままに、捲し立てるように言葉を紡ぐ音里に、昨日の記憶がうっすらと蘇る。
「えっ……とぉ~」
記憶にございません…と呟く俺に、音里は、じとっとした瞳を向ける。
「確かに人じゃないよ? でもさ、俺だって眠たいの。睡眠欲あるわけよ。それをさ、自分の都合で叩き起こされてさ……」
ぶつぶつと続く音里の小言。
音里は、面白くなさそうに俺に背を向け、しゃがみ込んで、床をいじいじと弄って見せる。
「あー、んー、悪かった。悪かったよ」
音里の背中の右翼までもが、いじけたように、ふわふわと揺らいだ。
ふと、音里の背中の封印が、目に留まった。
前に見たときは、がっちりと巻き付いていた蛇が、緩み外れそうになっているように見えた。
「封印の印……、緩んでねぇ?」
背中に浮く、翼の刺青に指を這わせる俺。
「えっ?……」
不思議そうな声を放った音里が、俺を振り返った。
俺は、その辺に散らばっている短パンとTシャツを着込み、音里をバスルーム前まで連れて行き、鏡を使い背中を見せてやった。
きゅっと一瞬、眉根を寄せた音里は、俺を少し離す。
頭を下げ、ぐっと身体に力を入れた音里。
ぶわっと小さな風が巻き起こり、音里の左の翼が、姿を現した。
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