アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
92
-
学校を出て、寮に向かってる途中だった。
「あ、スマホ教室に忘れた」
「奏那マヌケなのか?」
「うっせぇ。取りに行ってくる」
朔弥をひと睨みする。
最近、柊の口が悪い気がする。
そして教室に戻るという柊に俺もついて行き、教室の扉を開いたら、そこには見知った顔が俺の机に触れていた。
「あ…伊吹くん…?」
「椿葵、くん!?」
「何…してるの?そこ、俺の席…」
「……っ…」
伊吹くんは何も言わず、逃げるように教室を出て行った。
俺の横をすり抜けて出て行く瞬間、目が合ってすぐに逸らされた。
少し顔が赤かった気がした。
「何してたんだあいつ。蒼衣、机に落書きとかされてない?」
「うん、何も」
机を見ると何もなく、中にも特に何も入っていなかった。
っていうか、あれじゃあまるで……
頭を過ぎった考えはすぐに打ち消した。
まさか、ね…
「あれー?スマホない…」
「えー?」
「机の中だと思ったんだけど……あ、後ろのポケットに入ってた」
「…バカなの?」
「うるせぇ」
ほら、やっぱり口悪い。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
93 / 371