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163にしおりをはさみました!
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「只今戻りました‥。」
樹さんは僕に服を着せスカーフを直してくれた後、颯爽と仕事へ戻って行った。僕なんて足がまだガクガクしてるのに‥
制服が皺になっていないか念入りにチェックしたあと受付に戻ると竜さんに手を合わせて謝られた。
「ごめんっ。かなくんに押し付けちゃったよな。俺さ子供苦手なんだ。マジでごめんな。さっき石川部長と凛くんは帰ったよ。」
「そっか‥僕は全然!楽しかったよ、うん。」
竜さんが何か差し出してくる。
「はい。ラブレター。」
え??
「凛くんから。携帯番号聞くの忘れたから連絡してって。一丁前にナンパかよ。」
「ははっ。だから竜さんまで‥。そういうんじゃないって‥。」
でも樹さんにバレたら、またエッチなセックスされちゃうな‥‥黙っておくか悩むな‥。
「なぁ‥‥。」
竜さんが真剣な眼差しで見つめてくる。
やっ、やばいさっきエッチしてきたのがバレた‥!?まさかキスマークとか付いてないよね‥‥
「な、なんでしょうか‥。」
「石川部長が帰るときに聞いたんだ‥‥。あの‥なんて言うか‥岡田次長とかなくんの事、やっぱりかなり噂になってるらしくて。ほとんどの人は面白がってるかんじみたいだけど‥‥‥。」
「うん‥‥なに‥‥。」
「岡田次長に憧れてた女性社員はよく思ってないみたいだし、かなくんのこと非難‥してるようだったから何かされないように気をつけて‥って。あっ、でも石川部長も注意してくれたみたいだよっ?人のプライベートに首突っ込まないようにって!」
「そ‥そうなんだ‥。そうだよね、企業営業部の出世頭でみんな憧れてるもんね。僕なんか‥全然釣り合ってないし。」
「おい。その僕なんかっていつも言うのよせよ。俺、かなくんのこと大好きだけどそうやって自分を卑下するところは好きじゃない。」
竜さんに面と向かってそう言われたのに笑みがこぼれる。
「好きじゃないって言ったのに笑うのかよ。」
「うん。陰口叩かれるよりハッキリ僕にそう言ってくれたほうがよっぽど良いっ‥。」
ぐっと歯を噛み締めて涙声になりそうなのを堪える。
「はぁ‥。何かないように俺も最大限守るから。岡田次長には言っておけよ。」
「うん、話しておくね。」
噂になってることがやっぱり嫌だったけれど、この時はまだ石川部長からの忠告を本気で気にしたりはしていなかったんだ‥。
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