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8にしおりをはさみました!
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8
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―――
そしてズボンと下着をずらすように指示をされ、お尻が露になる。
お尻が丸出しで、それを先生だけでなく藤堂さんにも見られていて、恥ずかしくてたまらない。
「分かってると思うけど、内視鏡を入れるには排泄物を出しきらないといけない。浣腸するけど我慢してね」
思ったより量の多かった浣腸で強制的な排泄を終えいよいよ内視鏡の挿入。
「竜くん、力入りすぎだよ。力を抜いてごらん」
そうは言われても、こんなこと力が入ってしまうのは仕方ない。
さっきは中に挿れるといっても所詮液体だし、痛みはあったけど激しくお腹を下した時のような日常でも有り得る痛みだった。
でも次は違う。
内視鏡とはいえ固形物、数日前も同じことをして痛みを知っているから、怖いのは当たり前で。
「ん、ぐっ…あぁっ」
やっぱり、すごい違和感とピリッとした痛み。
そりゃそうだ。
いくら医療行為とはいえ、本来出すべきところに固い異物を入れているんだから。
「あ、ここだね。ステージ0だからまだものすごく小さくて、見落としてもおかしくないレベルだ。見える?」
先生と藤堂さんはモニターを見つめていて、モニターに映る俺の胎内は見ていて気持ちいい物ではない。
というか、気持ち悪いくらいだ。
そっと内視鏡を抜いた先生は俺に問う。
「竜くん、手術受けない?」
「受け、ません…っ」
「何故だっ!」
藤堂さんからの鋭い声に体がビクッと震える。
俺が手術を受けたくない理由。
それは自分の存在意義が分からないからで。
離婚して俺を引き取ってくれた父は俺がまだ幼い時に死んだ。
母が闇金から金を借りて返しもせず逃げてしまった為に、母が勝手に書いたであろう保証人だった父が追われる羽目になってしまった。
怖い人達に追われ続けた父は、金の代わりに幼かった俺の身体を要求された。
きっと人身売買、もしくは臓器売買のためだったんだと今なら分かる。
けれど父は、保険金で支払う方法を選び何者かに殺されてしまった。
俺は父の命と引き換えに守られた。
身寄りのなくなった俺は児童養護施設に行くこととなり、5歳からずっと施設で育った。
そして高校卒業を目前に就職も決まっておらず、いずれは施設も出ていかなくてはならない身。
俺の事を愛してくれた父を失ったあの日から、俺は誰からも愛されず必要ともされず、学校では親無し子だと苛められ、ただ孤独に生きてきた。
これから先もそうやって孤独に生きていく。
だからわざわざ大金を出してまで治す必要はない。
それにそんな大金持ち合わせていないから、どこかからお金を借りなければならないし。
どうせ誰からも必要とされない命だ。
いっそこの運命に身を任せて消えてしまう方がいいんだ、きっと。
「いいんです、もう」
「…良くない。それにお前はもう俺のものだろう?お前に拒否権などない」
「なっ…!……だったら、今、殺して下さい」
「何故そんなに手術を嫌がる?…まぁいい、常田、今日はとりあえず連れて帰るが、手術についてはまた連絡する。帰るぞ!」
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