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7にしおりをはさみました!
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章優さんが頑張って外に行くのは珍しい事で俺はちょっと嬉しいけれど、本人はやはり凄く不安みたいでさっきから落ち着きがないし今何時?と何回も聞いてくる。
「もう11時半ですし、着替えましょうか章優さん」
「大丈夫、俺1人で着替えて来るよ」
そういって壁を伝いながら自分の部屋に行ってしまったけれど目の見えない章優さんが服の区別がつくわけもなく、俺は章優さんについて行って服を渡し着替えの手伝いをする事にした。
オシャレをし過ぎると服が複雑になって章優さんが困るのでとりあえずシンプルに白のシャツに黒いズボンを履かせてみたがこれでいいのかな?後で茜さんに聞いてみよう。
「ボタンとめますよー」
「はーい」
「今度から章優さんが分かりやすいように外出用の服と部屋着はタンスは変えないといけませんね」
「えーそんなに外出たくないよー」
章優さんは駄々をこねて体を揺すってわざとボタンをとめにくくしてくるが、俺はそんなの気にせずにボタンをとめていく。
章優さんにとって外はどれだけ恐怖なんだろう…。でも俺は知っている、章優さんは本当は色々経験するのが好きな事。たまに外に出た時はその度に章優さんの中の世界観は広がって行って、いつも楽しそうに作った話をしてくれる。
障害を持つって難しいんだな…。
ピンポーン
「あ、来ましたね」
「はぁーーー、嫌だー透明人間になりたい」
訳の分からない事を言っている章優さんを部屋に残し俺は玄関に向かった。
やはり来たのは茜さんで凄く綺麗な格好をしている。それに比べて俺はただの白のシャツに明るい茶色のカーディガン、そしてジーンズと合計6000円コーデだ。
「茜さん凄い綺麗ですね、すみません俺…」
「何言ってるの、似合っていればそれでもうオシャレなのよ。落ち着いてて貴方のコーデも素敵よ」
予約は13時かららしく少し時間があるという事で家に上がってもらうことにした。茜さんは俺も連れて行くつもりで予約していたらしく、その事が少し嬉しい。
「お邪魔するわね、あら?あの子は?」
「透明人間になってます」
「はぁ、またあの子は…」
俺は呆れた茜さんをリビングに案内して軽く世間話をして透明人間になっているであろう章優さんを呼びに行った。
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