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君想うほど…3にしおりをはさみました!
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君想うほど…3
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【冬弥】
心配し過ぎで吐きそうになった
部屋に入るなりへたり込む
「冬弥!大丈夫?ほら、肩に手を…頑張れ!」
細いくせに力がある
ベッドに寝かせてくれ、温かい飲み物を持ってきてくれる
背中を擦りながら、心配そうにしている千秋
あぁ…温かいや…
安心したのと、千秋のおかげで気が緩んだ
遠くで呼ぶ声が聞こえたが、俺はそのまま眠ってしまった
部屋中に、いい匂いがしている
あれ……俺…
「うっわ、ごめん千秋!ご飯……食べに行くって言ってたのに」
外食って言ってたのに、すっかり寝入ってしまっていた
エプロン姿の千秋を見ながらホッとする自分
俺の為に夕飯の準備をしてくれていた
「いいよ、俺さ、嬉しかったんだ…冬弥が俺を心配してくれたこと」
手をとめてにっこりと笑顔を向ける
その顔を見て、俺もまた安心していた
ソファに腰をおろした途端、千秋がやってくる
「もう落ち着いた?ごめん、冬弥に心配かけさせたね…その…ちょっと色々あってさ」
「あ、待って、その先は言わないで、俺が言う」
わざわざ制止したのには理由があった
多分、千秋も俺と同じことを言うはず
こういうのは、大抵は同じなんだよ…わかるの、まぢで
だからこそ俺が言う
そして、なんとかしたい……………
俺が言うと言った割に、なかなか切り出せないヘタレな俺
早く言わなきゃ…なんて、焦れば焦るほど何から話していいのかわからなくなった
そんな俺に気づいている千秋
黙って俯いた
「俺…多分、とんでもないことをしようとしていたの、それは千秋もかなと思ってる」
「え、冬弥」
「夏生と一緒に生きていこうって決めたの、千秋も陽人と同じこと言っただろ?こういうの、いつもシンクロしてたし、そうだろうと仮定して話すよ」
返事がないのは、それが正しいことを意味していた
あぁやっぱり…わかっていたけれど、現実となると結構くるなぁ…
辛いけれど、これも現実だった
「ずっと前から俺は千秋に対して罪悪感にかられていたんだ…例の事件からだよ、だからこそしっかりしなきゃって気を張ってて…苦しかったんだ」
今夜は全部話そう…そう思っていた
「冬弥……」
「で、情けないけど空回りばっかしてさ、追い詰められて、逆に乱暴な扱いしちゃってた…ごめん」
どうにもならないジレンマ
どうにかしなきゃと思えば思うほど優しく出来なかった
このままだと千秋を壊してしまう…
そう思った時、夏生が癒してくれた
感謝していたが、優しい夏生につい甘えてしまっていた
段々と楽になっていく
流れてしまった
「今日も夏生と会ったんだ、お互いのパートナーに伝えようってことになった」
大体の話をしたけれど、肝心な事を伝えていない
千秋を見ると、わかっていたと言わんばかりの表情だった
次が一番大切なんだよ…早く言えよ俺っ
勇気という名のヘタレ発動
「千秋、俺は出来れば…いや、俺は千秋とやり直したいです」
頭を下げるのここなのかな?
もうこれでダメならまぢでお手上げだった
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