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CHAPTER4
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秘密基地に到着した2人は地面に座り込み、しばらく沈黙が続いた。
やがてそれに耐えられなくなり、2人の沈黙を破ったのはルーイだった。
「いつからあいつらみんなをいじめてるの?」
ルーイが来てからというわけではなさそうだった。いつも何かされる度、ニコラスも彼らを前から知っているような口ぶりをするのでルーイは気になっていた。
「お前が来る前から。お前が来てからエスカレートしてる」
「そう…」
ルーイはニコラスになんと言えばいいのか分からなくなり、黙ってしまった。「自分のせい」だと言えば、ニコラスの性格からすると否定をしてくるだろう。だが本来この問題は誰のせいでもない。こうして2人の間が裂けるくらいなら、黙ってお互いに気持ちを分かり合えていればいいと互いに思った。
「はぁ…あいつら人を痛めつけるのだけは得意だから…いつ人殺しするか…」
ニコラスが笑ってルーイに話しかけたが、彼はその話をしたくなさげにしていたため、ニコラスも黙ってしまった。
「…ミズーリ州に行けばいじめなんてないんだけどね」
そうして2人は苦笑いをしながら、お互いの顔を見合わせた。そのうち先程までの不安を振り払ったかのような笑顔でニコラスが張り切って言った。
「よっしゃ!水浴びするぞ!こんなことでくよくよしてたら女に見られる」
「はは、言われなくても顔で分かるよ」
ルーイもそれに笑顔で応えた。
「プール行く?あそこならライフセーバーもいるし」
「子供の糞尿が混ざってる無法地帯にわざわざ?そんなとこよりここに近い川に行けばいいじゃん」
調子が出たのか得意げに笑いながらニコラスは言うと、ルーイが心配そうな顔で「危ないよ」と言ったがそんなルーイの心配を無視して「行こうぜ」とだけ言い、1人で森の奥をニコラスが進んだ。それを放っておけないと思いながらやれやれとルーイが追いかけて行った。
ニコラスを追いかけた先にルーイが見たものは絶景だった。つい先日越してきたばかりのこの町にまさかこんなところがあるとは。目の前には綺麗で汚れ1つもない川が流れており、周りは自然に溢れて空気が澄んでいた。ルーイは目を丸くし、感動した。
「感動したか?ここ知ってる人あんまいないからいくらでも遊べるぜ」
「す、すごく綺麗な場所…ニコラス、ここにいつも1人で来てたの?」
「まるで友達がいないみたいな言い方すんなよ、1人でいたい時はよくここに来てた」
『来てた』。過去形である。ニコラスが言うように、彼はよくここに1人で来ていた。
「でもお前、ルーイが来てからはあんま来てない」
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