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CAGE4:あの日の同罪ー倉橋 洋ー1にしおりをはさみました!
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CAGE4:あの日の同罪ー倉橋 洋ー1
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急に気が抜けて、気持ちが途端に穏やかになる。
「……アンタはすごいな。」
「ぇ………」
「いや………」
頬に添えられている手を取って、それにすり寄ってみる。
「アンタの方が温かいなんて珍しいな。」
「ふふ、本当ですね。……大丈夫ですか?」
「ああ、だいぶ落ち着いた。」
ホッとした顔をした立花の頭を撫でた。
「……倉橋さん、さっきあの人に何を言われたんですか?」
あの人と言うのは蒼のことだろう。
「………暁斗の情報を流したのはアイツだ。ただ、警察や暁斗の父親に流したわけではないと。」
「それじゃあ一体誰に?」
「……………倉橋 春伊と言う男。」
「倉橋 春伊……倉橋ってもしかして……」
「…そうだ。俺をこの世に作った男、俺の父親だ。」
父親だと言うのさえ憚れる。
だがそれは紛れもない事実。
「倉橋さんのお父さんがどうして暁斗くんの情報を……?」
「……分からない。たまたまなのか、俺のへ当て付けなのか……あの人は昔から何を考えてるのか分からなかった。」
思い出してみてもあの人の本心に触れたことはないように感じる。
「……倉橋さん、貴方のこと訊いてもいいですか?」
「特段面白い話でもない。」
「それでも、知りたいんです。」
「……俺はアンタ以上に汚れてる。」
「大丈夫です、どんな過去があったとしても貴方に対する気持ちは変わりません。」
それは疑いようのない言葉で、俺は溜め息を吐き出すしかなかった。
「……相変わらず頑固だな。」
「今に始まったことじゃないでしょう?」
開き直って物言う立花に何を言っても無駄だろう。
仕方ない、と俺はゆっくり口を開いた。
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