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友達から始めましょうか? 3(聖夜side)
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5限目が終わってすぐに着替え始める。女子は更衣室にそそくさと向かう。男子は皆自らの腹筋なんかを自慢しあっているのだけれど、ここにもまたそそくさと教室を離れようとする生徒がいるのだ。
誰も『どうしたの?』と言ってこないことがありがたい。
聖夜は男子トイレの更衣室に入ると本来手荷物をかけるためにある扉についたフックに持って来ていた体操服をかけて着替え始める。
嫌なのだ、体を見られることが。
皆んなは鍛えられていて、カッコよくて、むしろ人に見せたい体をしているけれど、自分は違う。
ヒョロヒョロで骨と皮、筋肉じゃなくて脂肪だし、真っ白な肌だし…。周りからしたら気にならないことかもしれない。だけど聖夜からしたらこうしてわざわざトイレの個室に入らなくてはいけないくらい気にしていることなのだ。
慣れた手つきで手早く着替えてしまえば脱いだ制服を袋に入れて教室に戻る。
友人が待っていてくれた。
高校に入ってからできた友人4人。去年から自分を含めた5人メンバーで動いている。
お互いのことをよく理解している大切な人達だ。
グラウンドに出ればちょうどチャイムが鳴った。女子は今日は体育館で別の競技をするらしい。
横三列に整列をして、だけどそこに創の姿は見当たらなかった。
やはり来てはくれなかったということだろうか。
少し寂しい気持ちになっていたのだけれど授業は進められる。2人ペアを組まなくてはいけないらしい。
だがここで奇数メンバーということの難題が訪れる。1人組む相手がいなくなるのだ。
『あっ、じゃあ俺他の人と組むね!』
このクラスの男子の数は偶数だ。休みがいないのでピッタリ合うはずなのだけれど、おかしいな、余りがいない。
そうだ、よく考えてみたら創が居ないのだから今は奇数になってしまっているのだ。
となると、自分は友人と3人で組めば良いのだろうか。でも1番気が楽な結果になる。あまり話せない相手と組むのは聖夜も人間だ、あまり好ましくない。
友人のもとに戻ろうとしたのだけれど、『聖夜っ!』と名前を呼ばれて振り返る。
周りの生徒もざわついていて、教師でさえ目を見開いているではないか。
一体何事だ、改めて其方を見ればそこに居るのは、創だった。
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