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最悪の出来事 弐にしおりをはさみました!
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最悪の出来事 弐
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「ふーん」
__俺ノーマルでよかったわ。
きっと奏がそういう人間だったら、否、坂口を好いていたら、きっとこれでズキュウンと落ちていただろう。
__あ、俺黒川さんの事好きなんだ、ゲイか。
案外ゲイというのも普通なものと、こんな状況下で確信する。
「なんだよー、そんな対応なくねぇ?」
坂口はそういいながらも、ずっと笑っている。
不満そうなのは声だけで、実際心の中でも笑っているようだった。
彼にとってはそれで幸福なのかもしれない。
普通の恋愛ではないのだから、拒まれないだけましなのかもしれないが、あまり世間を知らない夜型人間の奏にはさっぱりだった。
「べぇつにー」
「ひどいなぁ、奏ったら」
坂口はやはり笑いながらそう返してくる。
その笑みは感染するのか、奏も笑顔になっていた。
「まぁ、でも、俺がお前が好きだったら、こんな反応じゃ無かったろうけどな」
「え、ええ?」
奏ははっとした。
心のなかが、外に漏れていたらしい。
嘘だ、と言おうとして坂口を見ると、ゾンビのように奏を見ていた。
奏は坂口が近づくにつれて、一歩一歩後ずさる。
「そ、それ本当、本当なの?」
「う、え、えぇ、い、いや」
坂口の近づき方に引きながら、しどろもどろになってそういう。
もはや拒否権は皆無だった。
嘘だ、という前に、坂口が息を吸っている暇もなさそうに、ずっと「本当なの?」と問い続けるため、奏は何も言えそうになかった。
「う、うううそだしっ」
やっと言えたのに、坂口はずっとゾンビ状態のままだ。
「坂口さん、奏さん」
それを遮ったのは、近藤の声だった。
二人を見て、笑顔で猫を抱えている。
坂口はいつの間にか元に戻って普通に立っていた。
__神対応っていうやつ?
奏は本当に鈍かった。
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