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sideアサ: 攻略本の存在 1にしおりをはさみました!
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sideアサ: 攻略本の存在 1
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「はぁぁ……だめ、だ………」
フラフラになりながら、ヘタリと地面に座り込んだ
朝一番にID前にたどり着いたのに、気がつけばもう夜
結局、僕を入れてくれるパーティーなんて1つも無かった
『お前弓だろ!?無理無理!!』
『細っこいし見るからに気弱そうな顔つきだし…悪いけどそんな奴に命任せられるほど能天気な頭してねぇんだわ。』
『大体、ギルドに入ってない野良を誰が拾うんだ!? IDに行きたかったら先ずはいいギルド見つけるんだな!』
分かってる。
確かに僕は見た目も弱そうだし気も弱いし、良いとこなんかひとつもない。
(それでも、強くなったつもり…だったのに、)
結局…それはやっぱりただの〝つもり〟だったのだろうか?
このままこのID前でりんごさん達を待つのも良い
目的が同じだから、きっと明日か明後日くらいには会えると思う
でも、それじゃぁ何の為に2人から離れたのか…まるで分からない。
(2人を待つなんて、飛び出したくせにやっぱり1人じゃなにもできないって言ってるようなものじゃん。)
それなら、初めから「ギルドに入れて」ってお願いした方が潔かった
(………ぁ、また地面見てる僕。)
気が付けば、目の前は暗い砂の地面
「ははっ、僕ってやっぱり…駄目なのかなぁ……っ、」
悔しくて 悔しくて、涙がじんわり出てきてしまって………
ーーーそんな時
「あぁぁくそっ、くそっ!!」
「っ、?」
ドタンッ!と入り口から人が帰って来たかと思えば、悔しそうに地面へ頭を擦り付けている
「ぁ、あの…どうされたんですかっ、?」
こんな深夜にID前にいるのは、もう僕しかいない
「くそ、くそくそ…っ、くそぉ……!」
「顔をあげてくださっ、」
「ーーーまた〝騙された〟!!」
「……へ、?」
(騙される…?)
「あの、一体何が……」
「これだよ、この攻略本!せっかく高い金払って買ったのにまたハズレだった…っ!あんな攻撃来るなんて書かれてねぇよ!!」
「攻略本……?」
「あぁ?お前知らねぇのか!?先にIDクリアした奴らが攻略の仕方をまとめてる本が、仲介売り場や商店に売ってんだろうが!」
(っ、そんなものがあるんだ…)
TMをやってたからそんな本に頼らなくても知ってる
だから、攻略本の存在なんて全く知らなかった…
パッと指を動かして仲介や商店の画面を目の前に出すと、沢山の攻略本がズラリと並んでいる
だが、
(た…高い……っ、)
これで金儲けをしているのか、多くの本は高すぎて簡単には手が出せない値段
(でも、自分の命がかかってるんだから普通買うよね…)
それをうまく掴んでるのかな……
「あなたが受けたその攻撃は、買った本には載ってなかったんですか…?」
「そうだ!だから俺のパーティーは壊滅した…っ!俺しか……戻ってこれなかっ…!!」
だんだん涙声になる悔しそうな声
ただ、背中を撫でてあげることしかできなくて
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