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体育祭と俺たち〜むつ〜
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アナウンス『応援団のみなさんは、各陣地に退場し、次のプログラム、借り物競争に参加する生徒は、各陣地前に、1年生、2年生、3年生で並んでいて下さい』
終わった〜!!やりきったぁ!!
何か、案外女装って楽しいかも、まぁヒラヒラのするスカートはウザいけど、あいつらの顔。
応援が終わって控え席に向かうむつは、ニヤニヤが止まらなかった。
姉貴の友達が施した女装は、プロだけあって流石と言わざる得ない。
ここは男子高、女慣れしてない奴が大勢いて、俺なんかの女装に目の色変えてる奴がいっぱいいる。
クラスメート以外は、俺の正体に気づく奴はほとんどいないだろう。普段怯えて視線すら交わらない奴らが俺に注目してるとか笑える。まぁ、そっちはどうでもいいんだが、面白いのはあの2人。
性欲魔人のくせに普段イケメン面した華南が、俺のスカート姿に見惚れて鼻血とか、ダサいにもほどがある。
チャラケて本音を隠す、あの修二が、俺がスカートめくっただけであの慌てよう、男の俺の体見て欲情すんのはお前らくらいしかいないのに、修二も華南もワタワタしちゃってマジウケる。
ご機嫌に赤組陣地に帰って来たむつに、雷太が真っ先に飛んできた。
雷太「柴田先輩チョーカワ…」
ーバキ!
いきなり華南のゲンコツが飛んできて、むつに飛びつこうとしていた雷太は陣地の外へ放り出された。
雷太「ひ、ひどい…」
華南「酷くない!お前は次出番だろ!」
雷太「橘先輩だって…って、先輩の陣地隣りじゃないっすかぁ〜」
嘆く雷太にもう一発ゲンコツが入り、雷太は泣く泣く整列に向かう。
吉良「やっぱあいつも一回締めとくか」
修二「物騒な…」
むつ「なぁなぁ修二…」
吉良にツッコミを入れながら、次の借り物競争に出る修二が、羽織っていたジャージを抜いでいるところに近づいて行き、むつはイタズラっぽくにんまり微笑み小首をかしげる。
むつ「俺って可愛い?」
修二「!!!!」
あは、修二の顔、超崩れちゃって可愛い。そうか、修二の奴俺の女装なんかでこんな顔に出ちゃうのかぁ…、今日帰ったらこの格好で迫ってみようかな?
ーバサッ
急に視界が暗くなり、目の前に覆いかぶさったものをどける、それは、修二のジャージだった。
むつ「なにすんだよ」
修二「頼むからそれ羽織っててよ」
むつ「俺、もう着替えるし」
すると、修二が難しい顔をした。
修二「その…体操着なんだけど…」
むつ「ん?体操着?姉貴んところにあるぜ」
修二が携帯を取り出して画面を見せてきた。
そこには次のように書かれていた。
《体操着は預かった。残りの種目も頑張るように!紬様より》
むつ「はぁああああ!?」
あの糞姉貴ぃい!!
むつが保護者席に足を向けると、目の前に慌てた田中が立ちはだかり、むつは思いっきり睨みつける。
田中「し、柴田君!借り物競争始まるよ」
むつ「ぁあ?俺関係ないだろ!!」
田中「ヒィッ!」
荒れる俺の声にビビって田中が後ずさる。すると修二が間に入ってきた。
修二「落ち着いてよむつ、次の借り物競争の旗番、むつがやるんでしょ?」
あっ、そうだった。
借り物競争のお題の中に、敵陣の旗が指定される。その旗を守るのは応援団の面子。
旗は1番ポイントが高く、奪われたらかなり痛い。
でも俺の着替え…
マキ「似合ってるよむつ君、そのままでいいじゃん、ね、修二」
マキが修二の肩を抱き寄せると、ビクッと反応した修二の顔が赤くなる。
むつ「おい!修二に触るな」
マキ「なんでぇ?こんなに喜んでるのに」
修二「喜んでない!」
修二が鼻をつまんでマキをどけようとしたが、マキはクスクス笑ってまとわりつく。そうこうしているうちに、借り物競争がスタートしてしまった。
アナウンス『借り物競争。1年生ヨーイ』
ーパァン!!
修二「あ、始まる、僕ちゃん行くから、田中の言うこと聞いて、後、マキ見張ってて」
むつ「そ、そんな無茶な…」
女装姿の俺を置いて、修二が行ってしまった。周りを見ると、すでに華南も雷太もいなくなってた。
借り物競争参加の1年生がワラワラと校庭に用意されたお題の紙がばらまかれた各陣地の色の円に向かい、指定されたお題を探し始めた頃。2年生がスタート。
毎年、借り物競争はなかなかの盛り上がりを見せる競争で、順位の他に、お題のランクも関係ある。お題は生徒が考えているため、ふざけたものが多く、そのお題も楽しみの一つだ。お題は学年で継ぎ足され、学年が上がるとよりふざけたお題になる。
そして3年生もいよいよスタートした。
早速、お題を持った雷太が赤組陣地に帰って来た。
雷太「柴田せんばーい!一緒に来てください!」
むつ「はぁ?お題はなんだよ!?」
雷太「〝美人〟です!」
むつ「ふざけんな!保護者席から探してこい!!」
雷太「ぇえ〜!同じ赤組なんだから協力して下さいよ!」
雷太がお題を利用してだだをこねていると、校庭側からものすごいスピードで走ってくる華南が現れた。
華南「らーいーたー!!」
雷太「わっ!?橘先輩しつこい!」
華南「むつは俺のだ!」
華南の宣言に雷太がカッと赤くなり、華南の頭にむつの平手が飛んできた。
むつ「お前は競技をやれよ!」
華南「いてーな、やってるよ!俺のお題はソレ」
華南が指したのは…
俺?
んな馬鹿な!?
マキ「あはは、人が指定されてるの?」
華南「ちげーよ、旗、旗奪いに来たの」
むつ「ふっ、残念だったな華南、旗番はこの俺様だ!俺から旗が奪えると思ってるのかよ!」
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