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果ての先に。
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奏太さんの仕事は、土日祝日が関係ない。
逆に、土日祝日は絶対に休みにはならない。
婚礼の入っていない日は、ブライダルフェアだったり、式を挙げる方たちとの打ち合わせだったり。
平日は遅めの出勤で、仕事帰りのお客様と打ち合わせをして帰る感じだ。
まだ俺は学生だし、土日は結婚式だとかの宴会で仕事に入るから大丈夫だけれど、社会人になって土日祝が休みの会社に勤めたら、ぜんぜん一緒にいることが出来なくなる。
となれば・・・サービス業だよね。
もらった名刺を見つめた。
山下さん、か。
レストランを開業するって言っていた。
オープンには就職は間に合わない。
でも、順調にいけば結婚式場を開業したいと言っていた。
結婚式場・・・。
奏太さんと仕事が繋がる。
違う職場にはなるけれど、繋がるんだ。
キュンとした。
レズ、バイ、トランスジェンダー。
俺たちのように、男性同士のカップル。
『偏見に晒される彼らが安心して相談し、結婚出来る場所を作りたいと思っています。』
まだ付き合いたてだから、結婚ってよく分からない。
それでも素敵だなって思った。
例えば。
例えばだけど。
来年はアルバイトとして。
再来年は正社員として。
そんな働き方でも良いだろうか。
「タク、昼メシ行こう!」
「おー。」
ノートパソコンを鞄にしまった。
大切な名刺を財布に戻した。
連絡、取ってみよう。
そう思いながら拓篤は席を立った。
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