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【赤×白】 痴漢 Part1にしおりをはさみました!
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【赤×白】 痴漢 Part1
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久しぶりに2人の休みが合致したので、約束を取り立てる。
あるにあは快くそれを承諾してくれ、当日、駅前であるにあを待った。
「ごめ、ラムザさん遅れた」
「いやお前が遅れるのは知ってたから大丈夫」
遅刻魔のあるにあはくせ毛で所々はねている髪を更に荒げさせ、俺のところへ走ってきた。
今日は珍しくメガネをしていない。コンタクトらしい。
俺はいつも通りメガネでいた。
「おけ、じゃあ行こ」
今回は現地集合ではなく、あるにあの最寄りで集合した。
俺より一回り小さいあるにあの後ろ姿を追いながらホームへ辿り着く。
そこらへんの女性と身長がほぼ変わらないのが面白くて徐ろに吹き出す。
「なに?」
「いや、お前女性と身長ほぼ変わんねぇじゃんと思って」
「いいじゃん、女性とデートしてる気分にはならないの?」
いつもは身長のことを言うと怒るあるにあが珍しく怒らない。
今日は珍しいことが起きすぎてなんか特別な気分になる。
「え?デート?」
逆に質問をされて頭の中に浮かんだ言葉をよく考えもせずに発する。
その瞬間に電車が来ることを告げるアナウンスが流れた。
あるにあが何かを言っていた気がするが、大音量のアナウンスに掻き消され、聞き取ることが出来なかった。
「…あるにあ、何ぼーっとしてんだよ、乗ろうよ」
この駅ではどうやら時間帯も時間帯らしく、あまり乗る人が少なかった。
だが座れる席はなく、つり革につかまる。
電車に揺られ、ちょうど5駅目に着いてドアが開く。
時間帯なんて気にしないと言わんばかりの大勢の人が電車に乗り込む。
そこで、遥か遠くでつり革を掴もうと手をバタバタとさせるあるにあを見つける。
先程まで隣にいたのに人混みに押され、号車の端まで移動してしまったらしい。
携帯がバイブレーションする。多分あるにあからのLINEだろうが、こっちは携帯を取り出すスペースも携帯を触る隙間もない。
目的の駅までまだ半分以上も揺られなければいけない。
その時、電車が大きく揺れた。
人たちは一斉に前に倒れ、俺もそれに同調するかのように倒れる。
後ろの男性の手がちょうど俺の尻に触れた。
別にこれは満員電車では割とよくあることだと思っているから、受け流す。
俺は男だしな。
そう思い少し揺られていたが、男の手は俺の尻から離れない。
確かに体を動かすスペースはないが手ぐらいは退かせるだろ?
なんだか段々不快になり、できる範囲で身体を捩らす。
その瞬間、つつ、と厭らしい手つきで後孔をジーンズの上からなぞられる。
「っ…!?」
横目で犯人を目視しようとするも、横を向くと他人の顔がすぐ隣にあり、少し気まずくて結局向くことができない。
「………………ねぇ」
その時背後から低く重厚感のある声が耳元で囁かれる。
なんだか恐ろしくて肩に力が入る。
その間にも後孔をなぞる指の動きは止まらない。
こいつ、俺を女の人だって勘違いしてる…?
いや、多分それはないはず。確信犯かよ…。
男の荒い息が耳にかかる。
思わずびく、と身体が反応してしまう。
「……耳、弱いの…?」
ねっとりとした話しかけ方で、正直気持ち悪くて体を前に動かそうと試みるが、呆気なく失敗。
ひたすらに男からの問いかけを無視していると、腕が伸びてきて次は性器をまさぐられる。
こんな男に触られて反応してしまうのが悔しいし、怖い。
あるにあがこっちに来ている様子はない。
「っ…ぅ…」
視界が涙でぼやける。
周りに助けを求めようものなら俺のプライドが許さない。
気づけばもう下着の中まで手が侵入し、粘着音が脳に響く。
嫌がり怖がる自分の中にはこのシチュエーションに興奮している自分もいた。
あるにあに申し訳ないと思いつつ、なにもできずに静かに声を洩らす。
「は、ぁ…あっ…」
周りから聞けば電車の音に掻き消され特にはなにも聞こえないのだろうが、俺には盛大に鳴り響いているように聞こえてしまい、羞恥心に駆られる。
勃起した自身が硬いジーンズを圧迫して、痛い。
人混みにのまれいつの間にか開閉ドア付近に移動していた。
身体にうまく力が入らなくなり、思わずドアに手をつき寄りかかる。
「あ、はぁ…っや…」
なんとか手を退けようと試みるが、力が入らずそれを許してくれない。
なにかに気を逸らせたくて横を見る。
どうやら混んでいるのはこの車両のようで、ちらほらと隣の車両に移動する人が垣間見えた。
そのおかげが少し隙間ができている気がする。
手を退かすフリをして携帯を取り出す。
通知欄を見ると、
『ラムザさん駅で落ち合お』
とだけ書いてあった。
急いで既読をつけると、
『あるにあ、助けて』
と、最小限の文だけ打って送信ボタンをタップした。
『え、どうしたの?大丈夫?』
『まだ人が多くて移動できそうにないな』
少し恥ずかしくて1分ほど弱い快感に耐えながら携帯を握りしめていた。
『嘘じゃなくて、痴漢に遭ってる』
『大丈夫じゃないから、早く来て』
こんなに文を送っているのにもかかわらず、男は俺を愛撫するのに夢中なのか全くそれに気づかない。
すると横からすみません、とあるにあの声が聞こえる。
無理やり人をかき分けてこっちに来ているのだろう。
「う、た、たすけて…っ」
あるにあが遂にたどり着いたのか後方から声が聞こえた。
すると男は驚いたのか、俺自身の鈴口を親指で思いっきりぐり、と爪を立てた。
「んっ、あぁ、あっ…!」
まさか、赤の他人にイかされるとは思わない。
屈辱的で、涙がぼろぼろ零れて崩れ落ちそうになる。
あるにあはすかさずそんな俺を抱え、支えてくれた。
「ラムザさん…ごめんね」
色々な感情が入り交じった声で謝るあるにあに俺はなんとも言えない感情を抱いた。
男はそそくさと逃げていき、周りの大衆の中から何人かが心配して声をかけてくれた。
が、返事する余裕がなく、ただただ俯いていた。
瞬きしたら涙が零れてしまうくらいに視界は霞み、あるにあに先程より少しだけ体重をかける。
あるにあは黙って何も言わぬまま、俺を支えていない片方の拳を力強く握っていた。
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