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4にしおりをはさみました!
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4
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もっと痩せこけているかと思っていたけれど、僕の平坦な体とは全く違う。そこそこに引き締まっていて、男らしい上半身。
一瞬だけ見とれてしまったが、僕は慌てて目を逸らす。
「な、何で、脱いで……っ!」
僕の問い掛けに、先輩はあっけらかんと答えた。
「お前の腕を縛る為だが」
「縛る……?」
先輩は自分の脱いだシャツを、僕の両手首に近付ける。
(まさか……!)
先輩は脱いだシャツで、僕の頭上に両手首を固定させた。
「膝を合わせて……そうだな、足はこう」
先輩の手が、今度は僕の足を掴む。
上半身は寝そべらせたまま膝を立てている状況……しかも、両手首は頭上で固定されている。
(恥ずかしい……っ)
まるで、先輩に拘束されているみたいだ。
……いや、先輩からしたらデッサンの為の行為だけど、実際は先輩に拘束されているんだから、間違いじゃない。
思わず僕は赤面する。
「表情は……いいな、それがいい」
納得したのか、先輩がまた僕をスマホで撮った。
こんな恥ずかしいポーズを、好きな人に撮られるなんて……想像すらしていなかったのに。
何故か、妙に体が熱くなってくる。
「もう少し着崩した方がいいか」
僕の気持ちとは対照的に、独り言を呟いている上半身裸の先輩を、直視出来ない。
そのせいで、僕は油断してしまっていた。
「……っ! や、やだ、先輩っ!」
突然、先輩の指が僕のズボンに触れてきたのだ。
「少し下げるぞ」
ベルトを外され、チャックを下げられる……そんな事をされて、冷静になれるわけがない。
(手が、近い……っ)
触れられる筈がないのは分かってる。
それでも、僕の股間の近くに先輩の手があるというこの現状が、落ち着かない。
「上も少し捲っていいか?」
訊いてくるくせに、先輩は僕の答えを待たず勝手にシャツを捲る。
「……っ」
先輩の冷たい指が、僕の肌に直接触れた。
その感覚に、思わず息を呑む。
(意識しちゃ、駄目なのに……っ!)
先輩はただ、漫画で使える構図の資料が欲しいだけ。そんなのは分かってる。先輩に他意は無い。
それでも、分かっていても、好きな人に近寄られて肌を触られて……反応しないなんて、無理だ。
(勃っちゃう……っ)
僕の意志とは裏腹に、存在を主張し始めた下半身を何とか先輩に見つからないようにしようと、膝を擦り合わせる。
「日達、随分とエロい顔をするな」
先輩はそう言って、またスマホで写真を撮った。
「そ、そんな事――」
「見るか?」
僕の言葉を遮り、先輩は僕の上に覆いかぶさってスマホの画面を見せてくる。
そこに映っていたのは、拘束されている中大きな瞳を潤ませ、頬を紅潮させている僕だった。
「ち、ちが……っ!」
「デッサンの為だろ、分かってる」
どうやら先輩は、僕がデッサンの為にわざと表情を作っていると勘違いしているらしい。
でも、それならそれで好都合だ。
先輩に触られて興奮してるなんて、バレるわけにはいかないのだから。
「あまりにも真に迫った表情だから、勘違いしそうになっただけだ」
先輩はそう言って、僕に向けていたスマホの画面を自分に向けた。
「そんなに、じっくり見ないでください……っ」
恥ずかしくて、穴があったら入りたいくらいだ。
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