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初日、夜にしおりをはさみました!
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初日、夜
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(はぁ………)
鞄をベッドに放り投げ、僕は溜め息をついた。
前はまだマシだったのに、最近になって急に疲れるようになった。
学級委員長になってから、どいつもこいつも僕にばかり仕事を押し付ける。先生でさえそうなんだから、救いようがない。
東雲くんは頼りになるねぇ、なんてもう聞き飽きた。
『別の世界、行ってみてぇなあ』
恋の言葉が思い浮かぶ。
馬鹿にはしたが、今になって何となく分かってきた。
「本当………どっかに行きたいな」
部屋にあるクローゼットの鏡を見ると、冴えなくて目つきの悪い僕がいた。
さっさと風呂入って飯食って寝てしまおう。
そう思った時、鏡がおかしい事に気づいた。
「え……?」
僕が写っているはずの鏡が少しずつ曇り、真っ白になってしまった。
鏡に近づき、触ってみても曇ったままだ。
「どうなってるんだ………」
しばらくすると曇りが晴れてきたが、そこに映っているのは僕じゃなかった。
僕の部屋と同じくらいの、男っぽい部屋。
そして、ウサギが映っていた。
しかもただのウサギじゃなく、学ランを来た、人っぽいウサギ。
そう、例えるなら某可愛いうさちゃんのような………
呆然と眺める僕に、鏡の中のウサギが気づいたようでこちらを見た。
鏡に近づいてきたウサギは、表情は読めないものの驚いているようで、目をぱちぱちさせた。
耳がぴこぴこと動いている……あ、ピアスついてる。
そうこうしている間に、再び鏡が曇り、晴れた時には元通り僕が映っていた。
また鏡を触ってみても、僕が映ったままだった。
「つ、疲れてるのかな……」
目を擦りつつ、呟いた。
そうだ、きっと疲れているに違いない。
鏡の中にウサギなんているわけないじゃないかアッハハ
「………………風呂だ」
僕は立ち上がった。
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