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18歳以上ですか?
103にしおりをはさみました!
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103
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走って、走って。
悠は、公園からさほど遠くない商店街に入った。
はなれ、はなれ。
さっき、公園を通りがかったカップルがタカの名前を話しながら歩いていた。
揺さぶるようにして、その男の子からタカの居場所を聞いた。
「すぐに会わないといけないんだ!」
そう言って、居場所を聞いた。
まだ10代だと分かる男の子は、心配そうにこう言った。
「お兄さん、悪いことしない?」
「しない!」
ただ、伝えないといけないんだ!
「誓う。タカに手をあげたりしない!」
「・・・。」
男の子は女の子と顔を見合わせた。
「tallさんも傷付けたりしない?」
あぁ・・・。
絶望に黒く染まっていく。
その名前が、あのサラリーマンの名前だと分かった。
それでも、それでも悠は、手を伸ばしたかった。
「しない。」
もう、彼の手を取ったのかもしれなかった。
もう、彼の腕の中にいるのかもしれなかった。
それでも、足掻きたかった。
居酒屋はなれ。
町の小さな居酒屋。
『悠、諦めなさい。』
chizooooのママの言葉が頭をよぎった。
------------※ ※ ※------------
店に飛び込んできた人物に驚いたのは、トオルも同じだった。
「タカ!」
「え?!」
飲食店の制服のまま飛び込んできた人物は、そのまま貴志を抱きしめた。
「タカ、俺のものになれ!」
呆然と男らしい汗の匂いをさせる悠に抱き寄せられた貴志は、ハッと我にかえった。
「ちょ、ぃや!・・・離して!」
胸の中でバタバタと暴れると、悠の腕を掴んだ手があった。
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