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シロタケイにしおりをはさみました!
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シロタケイ
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「ラッキー!階段上がってすぐー」
すぐ左手。
3年3組の教室札があった。
黒板には席順。
まあもちろん名前の順だ。
「はーあ、早く席替えしてくんねぇかなぁ」
「それ去年も聞いたわ」
浅間がしょげかえった顔で話していて笑える。
浅間はだいたい一番前だ。
俺の席は窓際から二列目。
真ん中あたり。
見ればそのあたりだけ空いている。
ぽつりと座った1人から、距離を取るようにして人がいない。
でもみんな興味津々と言わんばかりの目で、その1人をちらちらと見る。
察するに、あれがあの「シロタケイ」か。
よし!
誰も喋りかけてねぇなら丁度いいや。
すっと奴の後ろまで近づく。
真後ろの席に座って、俺はシロタケイの背中を指先でつついた。
「はよ!」
第一声はあいさつから。
シロタケイが、ゆっくりとふりかえった。
そして、目が、合う。
「…………」
その姿はなんというか、まあ。
予想以上。
俺は驚いて、目も口もかっぴらいた間抜けな顔をしているに違いない。
シロタケイは、
あまりにキラキラとしすぎている。
目が、髪が、肌が。
なんかよくわかんねぇけど輝いてる。
生まれてこのかた、こんなに綺麗な人間を俺は初めて見た。
本物のイケメンってやつだ。
「おはよう」
そして声まで綺麗な奴。
だけどちゃんと挨拶が返ってきて、俺は嬉しくなった。
「俺、代田翔真!お前とおんなじ、シロタ」
「……君が、シロタショーマ」
「おう、そうだぜ?」
それきり、じっと見つめられる。
謎にだんまり。
名前の反復って……なんの確認だよ。
努めて明るいまま、俺は話しかける。
「同じ名字だからさ、仲良くしてぇなーって!」
「名前」
「、え?」
「なんで知ってるの」
なんで、知ってる、名前を……?
「お前の名前をなんで知ってるかってこと?」
「そう」
「あー、だってお前、有名人じゃん!学年一のイケメン、シロタケイ」
「……そう」
それからすぐに、前に向き直ってしまった。
これは、なんか、ものすごく、
"無口な奴"。
無口な上に無反応だ。
嬉しくねぇのかなぁ?
学年で一番イケメンだっつってんのに。
ぜんっぜん興味なさそうな顔で一言溢しただけ。
目の前にはぴくりともしない、
うんともすんとも言わない、
壁のように真っ直ぐな背中。
本を読んでいるらしい。
会話を拒んでる感じがひしひしと伝わる。
が、
俺はこういうの、逆に燃える!!
こいつは何が好きなんだろう?
何だったら反応すっかなぁ。
友達になりてーなぁ、って思わされる。
もう一回リベンジ!
「あのさ、」
意気込んで話しかけたと同時。
教室には担任が入ってきてしまった。
くそーーーー、間が悪い。
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