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18歳以上ですか?
健気にしおりをはさみました!
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健気
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凛月くんが見つかったという安心感で一気に疲労が押し寄せたのか、医師と話をして病室に戻ると、慧は凛月くんの片手を握りながら眠っていた。
凛月くんは起きていて、少し荒い呼吸を繰り返し、頭が痛むようで時折呻いていた。
「...あ、ぅ、ぁ、、、ぉう、ぶ...んん...」
慧に握られてない方の手を動かしたいようで、少し持ち上げた手はフラフラ宙を彷徨う。
「凛月くん?何か欲しいの?」
「て...て...」
弱々しく持ち上がっていた手がぱたりと落ちた。どうやらあまり力が入らないみたい。
「て?手がどうしたの?」
「ぁたま、お、いて...」
撫でて欲しいのかな?と思って凛月くんの頭を撫でた。
「ちあ、ちあ、う...」
違ったみだいだ。
「ぼく、の、て...はぁっ...」
凛月くんの視線の先には慧がいる。
そういう事かと凛月くんの手を慧の頭に乗せてあげる。
「あり、あと...」
「どういたしましてー」
「う、ぁ...いいこ...いいこ...」
痛みに耐えながら力の入らない手で必死に慧の頭を撫でる凛月くん。
「らいりょ、ぶ...ぼく、だい、じょ、ぶ...」
絶対苦しいだろうに慧を安心させる為なのか「大丈夫」と言う凛月くんはとても健気な子なんだろうけど、僕はそれを見ていて少し悲しくなった。
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