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それからというもの
火早野は本当に毎日告白しに来た。
体育館裏の昼休み。
段々と昼休みがもったいなく感じられて、
火早野の告白が終わったら
そのまま座って弁当を食べるようになった。
最初はまた断られたと、悲しそうに帰ろうとした火早野も
俺が弁当を持っていることに気づいて目を輝かせた。
「まってて!!一緒に食べよ?!」
そう言って走り出そうとする火早野に
俺は面白半分で無理難題を投げた。
「5秒で戻らないと先に帰る。」
「2分で戻る!」
ニカッと笑って無視したな。
火早野は変なやつだ。
俺を好きだと言う割にあっさりしているから
一緒にいて楽しい。
友達としてなら長くやっていけそうな気がする。
「っごめん!間に合った?!」
息を切らしながら喋るこいつに俺は告げる。
「3分経ったから、弁当のおかず一個な。」
「うん!!全ッ然いいよ!!」
いいのか。
これは少し前の話で
今では弁当を持って体育館裏が当たり前になっていた。
「それでね、〜が教頭の頭めがけてボール打ったから、
教頭のカツラが…ブフッ」
今は火早野が聞いた話を俺にしていた。
喋りながら笑えるこいつは器用だな。
あと、食べながら。
「汚ぇ、ご飯粒飛んだ。」
「え?!まじ??どこどこ!」
ちっちゃい子供だな。
「あ!あのさ、水本。
今度、映画観に行かね?
友達と行く予定だったんだけど、相手に彼女できちゃって。よかったらでいいんだけど…」
映画?
それだけで、なぜ恥ずかしそうなんだ?
「いいけど、どうかした?
火早野、何か変だぞ?」
そう言って顔を覗き込むと目を逸らされた。
なぜかムッとする。
「おい、ちゃんと見ろよ。」
「いや、ちょっと、待って。近いよ。」
「なんで顔赤いの。」
「え?!だ、だって、映画デート……。」
段々小さくなる声。
でも、しっかりと聞こえた。
映画デート。
デート。
「っっっいっってぇっ!!!!」
俺は思いっきり火早野の頭を叩いた。
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