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驚きと怒りにしおりをはさみました!
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驚きと怒り
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空き教室を飛び出し、走って元の棟に戻ってきた帳は息を荒らげながら、教室へと戻った。
そして
「はぁ、はぁ、ぁ、絢斗!!」
教室の入り口で膝を抱えながら親友の名を呼んだ。
すると教室の1番奥、4列目の席にいた絢斗が帳の方を向いた。
その顔は驚きで目を見開いていた。そして、手に持っていた分厚い参考書を机の上に置き、席を立つ。
「どうした?」
その落ち着いた声は帳の頭上から聞こえた。
絢斗の身長は183cm。僕らの学年の中でいちばん高い。
「あや、と、ぁ、その…」
「1回落ち着け。はーいしんこきゅー」
絢斗はそう言って帳の肩を持ち、子供をなだめるように落ち着かせてくれた。
「…で?大体見当は着くけど、どした?」
「……ぅうっ、」
しかし帳が話そうとした時気づく、2人が今たくさんの注目を当てられていることに。
そして、絢斗は髪の毛をクシャクシャにして一度帳の方を見る。
「帳、ちょっとここじゃ今は厳しそうだ。だからまた後にしよう。ちょっと待ってろ」
「え、うん…」
そう言って絢斗は一度自分の席に戻り、何かをメモしてもういちど戻ってきた。
その手にはなにやら紙がある。
「ほれ。ちゃんと守らねえと俺帰るからな」
「…わ、分かった」
【放課後 屋上】
その紙にはそう書かれてあった。絢斗の丁寧な字で。
キーンコーン…
今日最後のチャイムが鳴った。
そのすぐあと、帳は帰る生徒たちに紛れて屋上へと足を進めた。
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