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216 side真慕 流しそうめんとかき氷にしおりをはさみました!
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216 side真慕 流しそうめんとかき氷
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side真慕
「…」
昨日寝ていたら起こされた
葵に起こされた事なんて数える程しかなくて、少しびっくりした
葵は俺が寝ていると何故かそれを嬉しく思うらしく、声をかけて起こすようなことはしなかったし、逆に早く起きて欲しい日の夜は早く寝るように布団に入れられた
真慕、と声をかけられて渋々起きると葵は何やら大きな箱をふたつ持っていた
「なに?」
寝起きの頭ではあれこれと考えることが出来ず、そのまま口に出す
目を擦りながらベッドを降りた
リビングの床に座って、欠伸をしていると「真慕最近お昼食べるの頑張ってくれてるから、こういうのだと楽しいかなと思って」と大きな箱の紙包装を剥がし始める
べりっ、と破くように開けるのではなくてテープを綺麗に剥がしていく
何気ないところだけどそういう風に優しいのは何となく嫌いじゃなかった
葵が包装を解いてくれている間に顔を洗う
時計を見ると11:00だった
夜更かししてた訳じゃないのに結構寝てた…
「じゃーん」
声が聞こえて、見るとそこには『流しそうめん』と書かれた機械があった
もうひとつは『かき氷』と書かれている
「これなに?」
「真慕最近お昼頑張ってくれてるでしょ?」
でも完食したことないじゃん。
作ってくれた葵を思うと一切食べないのは、と口をつけるようにしたけどやっぱり喉が詰まったみたいになって中々食べられない
それでも葵は帰ってくると「あ!食べてくれたんだね。美味しかった?」と頭を撫でながら褒めてくれる
「頑張ってる、のかな」
「頑張ってるよ。いつも真慕は偉い」
褒めすぎな気がする
それでもやっぱりそう言われると嬉しかった
お昼に泣きそうになりながら食べていた自分をぼんやり思い出して、偉いよ、と目の前で褒めてくれる葵を見ると救われたような気持ちになる
「だから、少しでも食べやすいものにしてあげたいと思って」
「だからこれ?」
「そ。今日一緒にやってみて、気に入ったら真慕のお昼のレパートリーに追加しようかなーって」
流しそうめん。
聞いたことはあるけどやったことなんて無かった
「ふふ、たのしみ?」
箱の後ろに書いてある説明を見ていると頭を撫でられた
「楽しみじゃない」
「ほんとにー?」
ふんふん、と鼻歌を歌いながら嬉しそうにそうめんを茹で始めた
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