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終局3にしおりをはさみました!
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終局3
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「以前調査した際に今回の魔導陣を見落とした原因は、単に調査が甘かったからだろうか」
「まあ、そうっちゃそうなんだろうけど、それ言ったら薄紅も紫も怒り出すぞ? あの短期間で大陸中回って隅から隅まで調べて目についた端から魔導陣を破壊する、ってぇ、相当な労力だからなぁ。もっと時間がありゃあ地下深くまで調べられただろうが、あんときゃ状況的にそこまでのことを帝国ができるとは思えなかったし……。とにかく急ぎだったってこと考えりゃ、その線を捨てて調査に臨むのは最も合理的な判断だったと思うぜ?」
「ああ、判っているとも。私も調査をした国々を責めようなどとは思っていない。ただ、見落としただけなのか、見つけることができなかったのか、では話が違ってくると思っただけだ」
「それなら、見落としたっつーか、見る時間がなかった、が正解だから安心しろよ」
他国の事情だろうに、そう断言できるあたり、さすがは情報収集に長けた国の王である。その辺の事情は包括的に把握しているのだろう。把握されている側の国は、あまり気持ちの良い顔はしないだろうが。
そんなやり取りをしつつ、そろそろ本格的に情報の共有をしようかと言った黄の王が、地図を広げて今回の襲撃があった場所や被害状況について話し始めた。その様子に、少年は少しだけ困った顔をして赤の王を見る。こんな重要そうな話を自分が聞いてしまって良いのだろうか、と思ったのだ。だが、少年に対してだけはどうにも察しが悪い王は、にこりと微笑んで少年の頭を撫でただけだった。
「おいそこ、いちゃつくな」
「ああ、すまない。キョウヤが余りにも愛らしくてな」
「あんたな……。まあ、良いけどよ。つーかそんなことより、もうひとつ大事な話があるんだよ」
情報系統がまだ少し混乱してる影響で細かい部分は不明だけど、と前置きをした上で、黄の王が言葉を続ける。
「こっちがてんやわんやしている最中に、グランデルも狙われたらしいぞ。それもあっちは大物相手だ」
告げられた言葉に、赤の王が僅かに目を細める。少年も、レクシリアやグレイの顔を思い浮かべて、不安そうな表情をした。
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