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16*日崎sideにしおりをはさみました!
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16*日崎side
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オレは昼休み以外は北田に話しかけにいかない。
オレの周りには普段いっぱい友達がいる。
オレがそいつらのことを後回しにして北田に絡みにいくと、北田にそいつらの負の感情が向くのは目に見えているから。
自慢じゃないけどオレは人気者だと思うし、クラスの上の方にいると思う。だからこそ、周りに人が──オレと繋がりをもって少しでも上位でいたいやつらがいるんだ。
この一学期間必死に関係を築いてきたそんなやつらを無下にするなんて恐ろしすぎる。
前は──北田と話す前はそんな感情抱かなかった。
普通にいい友達だと思ってたし、しゃべるのも楽しかった。
だけど──
「俺の隣の河田さんさー、可愛いと思ってるのか知らないけど、あのツインテールキツいわw」
──北田なら、そんなこと言わないのになあ。
北田なら、そんなことで笑わないのに。
ついつい北田基準で考えてしまう自分がいる。
北田みたいに綺麗な人間なんてそうそういないのに。
かくいうオレだって、ほら。愛想笑いなんてしちゃう。
所詮オレも、こいつらと一緒なんだよな。
次の授業まであと7分。
「他なんかないのー?w」
「あ、そういえば」
この7分ずっとこの悪口大会が続くのか。
うんざりしてきてトイレにでも避難しようかと思ったとき──
「隣のクラスに結城と鈴村っているじゃん?
あいつら、男同士で付き合ってるらしいぜ」
巻き起こる笑い──いや、聞いてるだけで腹の底がむずむずするような嘲笑に、オレは席を立てなかった。
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