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18歳以上ですか?
29にしおりをはさみました!
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眠りの中で夢を見た。
ドアがノックされ、俺が目を開けるとそこには母さんと日崎がいた。
「真斗ー、お友だち来てくれたよー。もう、ほんとごめんなさいねぇ、せっかく来てくれたのに寝ちゃってて」
「いえ、風邪ですし仕方ないですよ。むしろ押し掛けちゃってすみません」
「いえいえ~、ゆっくりしていってね」
この部屋に、日崎がいる。
都合よすぎるし、これ絶対夢だな。
──俺、寂しいって思ってたのかな。夢に出てくるってことはそういうことなんだろう。
夢の中でも日崎の存在は安心するなあ…。
「大丈夫?」
「熱…あるだけ……だから…だいじょう、ぶ」
けっこう思ってることはっきりしゃべれるタイプの夢。
「ごめん、オレが昨日気づけばよかったんだけどさ、学校が傘貸してくれること忘れてた。……あ、これ今日配られたプリントね。ノートは…明日の昼休みにでもオレの写して。オレ久しぶりにめっちゃ綺麗に書いたから」
「……」
やっぱ夢の中でも日崎の顔は整ってるなー…。
「なんかしてほしいことある?」
黙ってるオレの顔を覗きこんで日崎が言う。
「喉、かわいた……。机の…うえ…とって…」
俺が力の入らない右腕で指したペットボトルを、日崎が「これ?」という風に指差したから、かくんと首を動かした。
「飲める?」
「───して…」
「なんて?」
「のま、して──」
夢の中だし、ちょっとぐらい甘えてもいいよな。実際今体起こせないし。
日崎は俺の言葉を聞いて少し間を開けてから、なぜか自分の口に水を含んだ。なんで、は言葉にならなかった。
そして俺の上半身を起こして、そっと顔を近づけた。
唇の間から、ぬるい水が侵入する。
「え、──」
思ってたのと違う。──でもどこか期待していた自分もいるらしく、素直に飲み込んだ。
そしてこの感触──夢じゃない!!
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