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43にしおりをはさみました!
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あー、あの人か。真奈が高3の時から付き合ってる真奈の同級生。
俺も何回か会ったことあるけどああいうのが世に言うイケメンなんだろうなっていう顔してたな。
悔しいことに真奈も客観的に見れば可愛い方だから一緒にいて絵になる。悔しいことに。
「真斗はそういう人いないの?」
「えっ!?いない……うん、いない」
姉ちゃんからの不意打ちの質問でスパゲッティを喉に詰めそうになった。
頭に浮かんだ相田さんの顔を追いやり、その隣でなぜか笑ってる日崎を蹴飛ばした。
「そんなんじゃ一生家族以外とちゅーもできないねー」
「ごふっ……う、うるさい!」
今度こそスパゲッティ詰めた。
熱の宿った日崎の瞳と、忘れがたいあの感触を思いだし、俺の顔も熱を持つ。
してるんだよなぁ…家族以外と……ちゅー。
風邪引いたときのあれを思い出すからお茶も飲めないし、迂闊に発言すれば姉ちゃんからの追撃が来るかもしれないし、ただただ目の前のスパゲッティに集中した。
「ごちそうさまでした」
手を合わせて、食器をキッチンに持っていき、階段を上がる。
俺のほとぼりはなかなか冷めない。
ドアノブに手をかけながら、反対の手の甲を唇に押し当てる。
──違うんだよ。柔らかさも、甘さも、熱さも、心臓の鼓動も。
日崎がキスしたときはうるさいぐらい心臓が速く鳴って、ぎゅってするあの感覚も苦しいけど不思議と満たされてるって思う。
だけど今は──寂しい。
あれは相手が日崎だから心地良いんだろうか。それとも他の人──例えば相田さんとかでもキスすればそうなるんだろうか。
俺はそうは思えない。……何一つとして確信はないけれど。
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