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18歳以上ですか?
4 ,部室の中にしおりをはさみました!
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4 ,部室の中
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《キヨside》
放課後になり、俺は部室に1人でいた。
顧問が来るまでもう少しありそうなので、ジャージに着替えようと脱ぐ。その瞬間、顧問が入ってくる。
「あ…すみません、着替えるので少しだけ…」
俺の言葉なんて無視して、下着姿の俺の、下着の中へ手を入れてくる。
「え、!?」
痣だらけの俺を見て、顧問はにやりと笑う。
先「なあ、痛えか?」
そう言いながら、俺の体の痣をぐりぐりと押してくる。
「ッいた…い、です……」
痛さに涙目になりながら答える。
なんでこんなことをされてるんだろう。
先「ふーん……」
顧問は手を離すと、
先「お前がいつもなんで殴られるかわかるか?分かるまで、ちょっとここで考えてろよ?」
「どういう…」
顧問は部室の扉をばたんと閉めて、鍵をかけた。
「せ、先生!!ちょっ…」
動揺してた俺は鍵を閉められた後に顧問を追いかけたが、もう間に合うわけはなかった。
「え…」
どうすればいいんだろう、考えるって、いつまで…
───どのくらい時間が経っただろう。1…いや、2時間?部室の中は熱が籠っていて、暑い。
「…なんで、俺を殴るか…って、?」
そんなの、わからない。
暑さで少し頭がぼーっとしてきた。
「はぁ…っ……俺、なんでこんな…」
───そのとき、部室の扉が開いた。
「…!せん、せ…」
だが、そこにいたのはガッチさんだった。
ガ「…キヨ?」
部室の床に横たわり、汗だらけの俺を見てガッチさんはぴたりと動きを止める。
「え、あ、ガッチ…さん?」
ガ「お前…な、なんで部室に」
ガ「もう部活終わってから2時間以上経ってるよ」
ガッチさんは横たわる俺に駆け寄り、そっと抱き抱える。
ぼろぼろの、痣だらけの俺の体は、腕を少し触られるだけで傷みが走る。
「い゛…ッ」
ガ「どこか痛むのか?」
ガッチさんが俺の体を触って確かめようとするので、焦って手を跳ね除ける。
…うっしーのときと同じように。
でも、ガッチさんは力が強く跳ね除けようとした俺の手を掴んで逃がさない。
ガ「隠さないで、キヨ」
「や、やだ!何でもないから!大丈夫!!」
ガ「…嘘だよね?」
「ほんと!!ほら、元気だし!」
俺は立ち上がる。
いきなり立ち上がったこと、水分不足なことで一瞬ぐらりと目眩がする。
それをガッチさんは見逃さない。
ふらついた俺の肩を掴む。
ガ「キヨ。真面目に答えて」
「…なに、?」
ガ「まず、どうしてキヨはここに倒れてたの?」
ガッチさんが質問をしてくる。
俺は動揺するが、なんとか心配かけないように答えようとする。
「それは、えっと」
ガ「…じゃあ、質問変える。キヨはなんで部室にいたの?」
「先生に、呼び出されて」
ガ「用件は?」
「…用件、は……」
本当のことを言う訳にはいかない。
「ほ、褒められて!今日俺、良いプレーしたし!」
褒められたことなんてなかった。
顧問はいつも俺を怒るだけだ。
正直、他のやつより少しは上手い自信がある。
でも、顧問は俺以外にそこまで厳しくないし、褒めている。
情けない嘘を吐いている自分に悲しくなってくる。
ガッチさんはそんな俺を真剣な眼差しで見つめている。
ガ「…なら、どうしてすぐに帰らなかったの」
「俺、部室で探し物してて!そしたら、いつの間にか用務員さんに鍵閉められちゃったんだよね〜」
スラスラと嘘を並べる。
真っ赤な嘘。
俺の事を心配してくれているガッチさんに、嘘を吐いているんだ。ごめん、ごめん…ガッチさん。
ガ「…キヨ、なんかあったらすぐに言って。お願い。キヨが言いたくないなら、今すぐには聞かないから」
「…うん、ありがと!」
…ああ、悪い奴だな、俺。
今すぐには聞かないというのは、ガッチさんの本心じゃないんだろうけど。本当は今すぐにでも聞きたいのを抑えて、隠したいという俺の気持ちを察してるんだ。
そんなに優しくしないでいいよ、俺なんかに。
俺たちはもう真っ暗な夜道を歩いて家に帰った。
ガッチさんは俺の家まで送ってくれて、明日の部活は休めと何度も念を押してきた。
…流石に従わないとガッチさんほんとに怒りそうだし。
明日は自由!休も!
ありがとね、ガッチさん。
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