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恋は罪ではないのでせうにしおりをはさみました!
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恋は罪ではないのでせう
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「…静かだなぁ」
ここ最近空を覆い尽くしている雨雲を眺めながらソファに寝っころがる。家がとても静かで、遠くの部屋のはずなのにヨセフの歩く音すらが伝わってきた。泣きそうになる涙を拭いて、手に持った紙切れを捨てる。
ホーレットが、一度教会に戻りたいと言ったのは三日前のことだった。俺は快く返事をしてヨセフの世話を受け持った。
すぐに帰ってくるといったホーレットは、いまだに帰ってこなかった。おかげで久しぶりに一人きりの週末に、ホーレットと出会った酒場へむかう。賑やかだけどその中に金髪はいない。
「隣空いてるかい?」
「si」
「一人?」
「他に誰かと一緒に見えるか?」
「誰かを探してるように見えたから」
「嗚呼、…すこしね」
そう言うと隣に座った黒髪が微笑んだ。よく見ると男は歳を取っていて、髭を伸ばしている。驚くほど簡単に俺は落ち着いた印象の男に身を委ねた。
暗い部屋の中、二人の影だけが動いた。床の軋む音がとても大きく耳に響いて行為を自覚させる。男は快感を与えることに慣れていた。ホーレットと出会って以来、自慰すらして居なかったからなのか。男の手は冷たく俺の身体は熱く火照り、堪らなくなって男に縋り付く。
「俺は女じゃ…ないからッ‼︎そんな丁寧な前戯は要らない…ッよ、」
胸に軽く触れ、身体の真の部分をこすりあげる。快感を受け止めるのは初めてで戸惑いながらもそう返すと男は少し大人びた顔で笑う。
「おまえ、男と寝るのははじめてだろ?…これは女だとかそう謂うんじゃなくて愛する人の肌に触れたいだけだよ」
愛する人。今夜だけの相手なのにその言葉に腰が浮きそうになる。いつの間にこんなにも俺は飢えていたのだろうと、頭の片隅で考えた。
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