アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
27にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
27
-
美弥side
「保健室行ってくる」と言って屋上から出て行ったきり流栖が帰ってこない。
仕方ないので俺の方から保健室に向かって行くと、
「流栖?」
流栖が保健室のベッドに寝ていた。顔色は悪く、最初見たときは死んでいるんじゃないかと思ってしまった。
「りゅうちゃんね。結構疲れが溜まってたみたい。」
保健医の山口先生がベッドの隣に立つ俺に話しかけてくる。
「…オーバードーズ。聞いたことある?薬を一度に決められた量より多く大量に飲んじゃうこと。まあ何十、何百錠も飲んだ訳じゃないんだけどさ。」
「……。」
「この子がこんなことするなんて私思わなくて。薬飲んだあとのこの子の顔見たらなんだか凄く辛そうな顔してたの。」
「そう、ですか。」
「円理くん何か思い当たる節ある?」
そう言われて俺は少し考える。
最近で何かあったとしたら、ぼちぼち学校を休むようになったことと…流栖の顔が怪我だらけになっていたことだろう。
あれは正直俺も驚いた。
流栖は元々喧嘩などしない。別に弱いわけではないのだろうが、あまり喧嘩を好まないのだ。皆と仲良しでいたい、みたいな?
喧嘩を売られても途中で退散するようなプライドもクソもない奴があんなにボコボコになってくるなんてよっぽどのことがあったのかそれとも……。
「いえ、なにも。」
「…そう。まあ彼が目覚ますまでそばにいてあげて。その方が彼も安心するわ。」
シャーっと音を立ててカーテンを閉められる。
俺は山口先生が置いてくれた椅子に腰掛け、流栖を見る。
顔を見ると、何だか前より痩せている気がした。
「…?」
ワイシャツで隠れてあまり分からなかったのだが、流栖の首に包帯が巻かれている。
あれ、包帯前もつけていなかったか?
顔の怪我は治ってきていて、絆創膏も湿布も何も貼られていないのに首には白い包帯。
少し不自然に思い、首に手を伸ばして包帯に手をかける。すると流栖の身体がビクッと震えた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
27 / 451