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猫達との1週間:1
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なんとか小野瀬が来るまでには朝食も片付けも済ませる事が出来た。
来客が来るまでほっと一息ついていたいとこだったのだが……
「なぁ、なんで引き受けたわけ?」
「なんでって……」
「あいつにちょっかい出されてんだろー?」
「……俺だって小野瀬のお願いじゃなかったら引き受けなかったよ…つーか、そもそも眞介君が小野瀬の猫になるなんて思わないだろ?!」
「はー…ほんとお前ってお人好し」
なんで俺が呆れられなければならないのか。
でも、
「いいだろ、別に……リクがいるじゃん」
「………そうだけどさ…」
溜め息を吐いて俺の頬っぺたに指をさしてくる。
「もちっと危機感持ってよ宙さん」
なにそれ、と言おうとしたとき、
玄関のインターホンが鳴った。
「あ、おはよー」
「はよー!ごめんな、朝から」
「ん、いいよ大丈夫!」
がちゃりとドアを開ければ大きなスーツケースを持った小野瀬と小野瀬の腕に抱えられている眞介君が。
「本当に助かるわ。眞介もごめんなー?飼われて早々預けられるとかな。でも、こいつ俺より世話上手いから!」
ははは!と笑いながら眞介君に話しかけるが、当の本人は特に何も気にしていない様子で尻尾をくるくる回していた。
「ん?あれ!従兄弟また来てんのか?」
「へ?」
小野瀬が指差す方を見ればいつの間にかリクが玄関に来ていた。
「あ、どーも」
あー、そういえば前に俺が泥酔した時に会ってるんだよなぁ…従兄弟って事になってるんだったっけか。
「じゃあ1週間頼むな…!お土産買ってくるからさ」
「おー!気を付けて行ってこいよ!」
「ありがと!」
小野瀬から眞介君を受け取り見送る。
バタンっとドアが閉まった途端、眞介君は俺の腕から飛び降りるとリクの足元まで行きチラリとリクの顔を見遣り、するするとリビングまで勝手に行ってしまった。
「くそうぜぇ…あいつ」
「………」
青筋をたてるリクに苦笑いをするしかなかった。
今日から1週間、俺とリクと眞介君とで過ごすと思うと何やら先が思いやられる……。
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